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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

光明があるか

暗黒の羊(創元推理文庫刊行)

リモート

シナリオ・センター代表の小林です。健康のためにちょっとは多めに歩かなくてはと遠回りしながら青山通りを歩いていたら、マスクが暑くて息苦しく、まあ、しんどいこと。
夏のマスクはなかなか厳しいですね。
不織布のマスクは菌を通しにくいのですが、さすがにこもる。ハンカチやガーゼなどで創ったマスクの方が風を通して言いようです。アベノマスク登場?(笑)
私は、友達が作ってくれた抗菌の布で作ったマスクにすることにしました。涼しい!気持ちいい!やさしさがこもっている!

今日も事務局は出社している者が3人なので、なんだか細々という感じでやっています。
いつも人が溢れている活気に満ちたシナリオ・センターが懐かしい。わずか1カ月半余りなのに、はるか遠くに感じてしまいます。
人は一人では生きていけないということがひしひしと感じる毎日です。

行定勲監督が、リモート映画を創られたそうです。
「きょうのできごと a day in the home」
6人の俳優さんたちがリモートで演じるそうです。
先日、出身ライター森下佳子さんのリモートドラマ「今だからドラマ作ってみました」(NHK)を拝見しましたが、さすがだなと思いました。
全部で3作放映されたのですが、ほかの作品はリモート越しでドラマが進み、二人芝居でした。
森下さんの作品は、出演の柴咲コウさん、ムロツヨシさん、高橋一生さんがもちろんリモート出演で、3人と猫一匹が入れ替わるという趣向で、メチャ巧い。
今の状況ですから、当然リモートなのですが、確かに3人は一緒にいないのになぜか3人が一緒にそこで演じている感じ。楽しい雰囲気が伝わってきました。
もちろん「恋はつづくよどこまでも」(TBS)のように佐藤健君がギュッと抱きしめたりはしてくれないのですけれど。(笑)
作り手たちが色々な角度で新たな方法を模索している、そこからまた新しいドラマのありようが見えてくるかもしれませんね。
ステイホームを逆手に取って、映像ならではの見せ方、伝え方を考える、新たな一歩が踏み出されていくに違いないと信じています。

暗黒の羊

私、いつも言っていますけれど、ホラーは大っ嫌いです。夜中にトイレいけなくなっちゃうタイプです。
なのに、出身の小説家美輪和音さんからホラー新作が届きました。(笑)
前にご紹介させていただいた「強欲な羊」も必死の思いで読ませていただいたのですが、最新作はもっと怖い。エグイ。
だってタイトルだって「暗黒の羊」(創元推理文庫刊)ですもの。
暗黒なんです、本当に。登場人物のキャラクターがなにしろ濃い。5連作なのですが、なぜかどんどんエスカレートしていくって感じ。その構成力がまた見事です。
ホラー好きの柏田講師や竹村講師ならメチャ楽しんで読まれるのでしょうが、私はダメです。でも、引きこまれる、なんだ?(笑)
美輪さんの描かれる小説の登場人物たちのキャラクターは、とても濃いのですが、誰もが普通は出してはいないけれど、誰にも見せてはいないけれど、どこかに潜んでいる何か誰もが共通した黒いものを巧みに入れ込んでいるのです。
たぶんどんどん殺されていくとかいうホラーと違って、人間の暗い部分をみえないように爪でひっかくように細心の注意を払って描いていらっしゃるので、より怖いのかもしれません。
私はやっと読みましたが(美輪さんごめんなさい!(笑))ホラー好きの方は、きっとものすごく楽しい小説だと思います。
人間が描けていないとか言われたりする方は、お勉強になります。

自分より弱い人や、踏ん張って働いてくださっている人々を攻撃したりする人を最近見受けます。
こうした異常な状況になると人間の本性みたいなものが垣間見えますよね。
人間は、誰一人善と正だけではありえません。
だから、自分でどう善悪や正誤に折り合いをつけていくかがその人の人間性になるではないでしょうか。
しっかりと自分自身の想いや考えを持ち、他人に優しく生きていきたいものです。

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