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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

未来へ

TPCオンプレゼン内容

TSUTAYA CREATOR' PROGRAM FILM2019最終審査会

シナリオ・センター代表の小林です。TSUTAYA CREATOR’ PROGRAM FILM 2019)(TCP)の最終審査会・懇親会に行ってきました。
新しくなったホテルオークラで、今年は脚本部門が増えて新しい形で、最終審査会もOPENになったTCP、気持ちも引き締まります。
622もの企画、新しい才能が集まり、その中から一次は、企画部門11人、監督部門9人、脚本部門8人が選ばれました。
シナリオ・センターの方々も一次にたくさん通っていて、企画部門には、金子寛さん「窓を開けるな~花粉症狂騒曲」、辻野正樹さん「パートナーシップ」、村上美然さん「ばかなの?」、監督部門は川上信也さん「ドッキング!」、脚本部門は上田夏樹さん「霊柩の行方、ビビさん「明日あれを殺す誰かのために」、久間木達朗「ふたごじゃないもん」、町田奈津子さん「前世旅行」、西野朋子さん「カッパくん」と頑張っていらっしゃいました。
おめでとうございます。
最終審査会は、招待のプロデューサーの方々の目の前で622本の応募者の中から最終8人の方が、プレゼンテーションを行います。
たくさんのプロデューサーの前でのプレゼンにみんな緊張の面持ちでした。
このTSUTAYAのTCPは、プロアマ、年齢・性別・国籍などの一切の制限がなく、「本当に観たい作品」映画化してくれます。

そ・し・て、8人に残ったのは、企画部門村上美然さん、脚本部門町田奈津子さんのお二人。
プレゼン第一番目は、企画部門の村上美然さん。自分のことのようにドキドキしながら拝聴しましたが、企画は「バカダンス(仮)」。
人生勝ち組を自称する田中亮太は、女の尻を追いかけて超一流大学の強豪社交ダンス部の常勝集団「フォーメーションチーム」に入ったのだが・・・。極限まで心身を追い込む練習の激しさと、部内恋愛禁止に面食らいながら、人生勝ち組の彼らがなぜここまでして踊るのか、性欲とフォーメーションの悪魔的魅力に板挟みになりながら、常勝集団の謎に挑み始める。
負け組が頑張る話はよくありますが、それを逆手にとって、勝ち組なのに頑張るというのはどういうことなのかが面白く、脚本家の村上さんらしい、映像が浮かぶキレのいいプレゼンでした。
アマでありながら頑張った町田さん、プレゼンの方法も、お嬢さんのイラストで脚本の内容をみせたりとわかりやすくお話しされていました。
「前世旅行(仮)」
夫婦関係が崩壊しかかっている山瀬夫婦の7歳の娘は、前世の記憶を持っていて、前世の妻を探したいという。娘の前世の妻を探す旅に出かけた3人は、前途多難旅の中で、家族の絆に目覚めていく。
町田さんが長年映画化したかったお話で、前世を訪ねていくという奇想天外な発想に惹かれます。

今回はグランプリは出ず、3部門とも審査員特別賞になりました。
残念ながら、村上さん町田さんのおふたりとも賞は逃しましたが、面白いお話だと思うので、プレゼンだけではわからない部分を多くの人の見ていただけると嬉しいですね。
企画部門は、野村東可さんの愛する男性のイチモツがくっついちゃった女が男として生きることを決めるという「▽サンカク~女は、愛を、くっつけた~(仮)」脚本部門は、人生を諦めて惰性で生きている46歳の陽子が、重体な父親のちゃめに故郷青森までヒッチハイクでむかうという「658㎞ 陽子の旅(仮)」
監督部門は、Jo motoyaさんの母親に蒸発されてから自分の成長日記を書いていたヨンチンが17歳で妊娠し、命を考える「ヨンチンの成長日記」が選ばれました。
でも、ファイナリストたちの作品・応募書類を開示して、色々なプロデューサーの方々に見ていただけるようにもなっているので、まだまだこれから期待しましょう。

水上のフライト

センター出身の土橋章宏さんが2016年に受賞した「水上のフライト」は来年上映が決定しているということで、主演の中条あゆみさん、兼重監督と登壇され、いきさつなどをお話しされていました。
土橋さんは、地元のパラカヌー選手の瀬立モニカさんから「ロンドンあたりからパラリンピックの選手はスターになっているのですよ」ときいて衝撃を受け、ご自分の脚本で映画化したいと思い、TCPへ応募されたのだそうです。
障碍者というと、日本人の感覚だと「気の毒」とか「かわいそう」などという同情視線が多いのですが、実は、逆にハンディキャップを力にしていることに、パラカヌーを通して障害という枠を超え、色々な人を明るく元気づけられるのではないかと思い、この企画を立ち上げたそうです。
土橋さん自身が脚本を書かれたこの作品は、「超高速!」のテイストとはがらりと違うかもしれませんが、やっぱり人はどんな形でも、どんな状態でも切り抜けることができる、元気に楽しく・・・というメッセージを届けてくれるに違いありません。
来年の公開が待ち遠しいです。
来年は、土橋さんのお話をシナリオ・センターでもお聞きかせいただけたらと思っています。

TCPは、映画化を条件とした新しい形のコンクールです。
「自分のこの作品をゼッタイ映画にしたい」そう思ったら、来年の募集にはどんどんチャレンジしてください。

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