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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

大人も子供も自分自身の理念(ビジョン)を持とう

川上から始めよ(ちくま新書)

夏休みの子供たち

シナリオ・センター代表の小林です。今日は、東京メトロさんで「ロボットでショートムービーをつくろう」を行っています。昨日は、ヴィムスポーツアベニュウさんで夏休み特別講座「読書感想文が書けるようになる講座」を開催。恒例の川喜多映画記念館の「子供シナリオ・映画教室」は31日に子どもが作った映画の上映会を行いますが、夏休みともあって、子どもシナリオは大人気です。
タイトルだけ見てもおわかりのように、様々な形でシナリオを使ったイベントができます。
こんなことをしてみたいけれど、シナリオを使うと面白くなる?わかりやすい?楽しい?と思われたら、ご相談ください。

今年の夏休みは、シナリオだけでなく、子ども食堂のお手伝いもさせていただき、子どものおかれている環境、子どもとの関わり方を考える夏でもありました。
昨日もちょっと触れましたが、子どもは本当に素直です。
そんなこどもたちが、悪い方向へ進んでいくとしたら、それはすべて大人の責任です。
「これが正しい」と決めつけて教えるのではなく、子どもたちに自分の頭で考え、心で想うことができるような環境を作ることこそが大人の務めだと思います。
それでなければ、世界中、今の大人のように嘘つきになったり、弱いものを脅かしたり、保身や忖度に走る大人ばかりになってしまいそうですから。(笑)

川上から始めよ

出身ライターで数々の名コピーを生み出してきたコピーライターの川上徹也さんが、ものすごくためになる本を出されました。「川上から始めよ~成功は1行のコピーで決まる~」(ちくま新書刊)
この本は主に経営、事業、プロジェクト、商品開発、広告制作などにおける「川上」の重要性が書かれているのですが、企画を考える人は必見です!
いや、川上さんも書かれていらっしゃいますが、子育てでも、家庭生活でも、仕事以外の人生様々なことにも役に立つ本です。「川上から始めよ」というタイトルを拝見して、「おっ!川上さんから始めるのか、いつも穏やかな川上さんが強気に来たな」とほくそ笑んだら、さすがコピーライター川上さん、このタイトルはキャッチだったんです。やられた~!!(笑)

すべては、川上=理念から始めるということでした。
シナリオ・センターでもご講義いただきましたが、川上さんは「ストーリーブランディング」を提唱しています。
「ストーリーブランディング」とは、「企業や商品を『物語の主人公』と位置づけ、その『本来の価値』を他人の心が動くように発信することで、ファンを生み出しブランド化していく手法」(本書から抜粋)です。
「ストーリーブランディングの3本の矢は、志、独自化、エピソード」
志とは、「経営理念」「ミッション」「ビジョン」個人的にいえば「アイデンティティ」です。
企業はこの理念が大事、ここがしっかりとできていないと社員もお客様も動かすことができません。
企画書やシナリオ作りもそうです。企画意図がしっかりできていないと、キャラクターもストーリーもできません。

あの有名なビル・ゲイツとポール・アレンがパーソナルコンピューターを開発・創業したときに掲げたビジョンは、「すべてのデスク上と、すべての家庭内にコンピューターを」
その時は、こんなことが誰もが可能だとは思いもしませんでした。ですが、いまはどうでしょう。すごいことですね。
これを読んだ時に、シナリオ・センター創設時の新井一が「一億シナリオライター化」を掲げたこと、そして、シナリオ界をセンター出身のシナリオライターで席捲することを夢見ていたことを思い出しました。
マイクロソフトとはもちろん比較にもなりませんが、シナリオ・センター出身のシナリオライターのドラマが毎日放映され、映画は毎月上映される、シナリオのコンクールの9割はセンターの受講生が制覇、同じように「ばかか、そんな夢みたいなことを」と言われていた新井のビジョンは50周年を迎えようとしている今、ほぼほぼ実現されているかもしれません。
一億総シナリオ化は、「一億人のシナリオ。」プロジェクトと名付けられ、もう少しどなたにもわかりやすく「日本中の人にシナリオを書いてもらいたい」という川上コピーを掲げています。
映画やドラマだけでなく、子どもシナリオや企業・大学研修などにシナリオを使い、シナリオの人口も増えています。

まず、何を目標とするか、なにをしたいのかを明確にすることが、物事にとって大事なことなのかと思います。
川上さんのノウハウをここに書いちゃうわけにはいきませんが(笑)、シナリオを描く上では企画意図がしっかりできていることが成功への秘訣ですね。
申し訳ないけれど、ちょっとだけ川上さんのノウハウをお借りして、「なにを言うか」、「どういうか」を考えます。
「『何を言うか』をみつけたい方は、・なぜ自分はこの仕事をやり始めたのか?・10年後、どんな会社になっているのかが理想か?・自分たちの事業で世の中はどう変わるのか?・何を武器にしていくのか?・理想のお客さんはどういう人?・世の中にどう思われたいのか?この問いの答えから、利己的でもなくキレイ事でもない、簡単に達成できないかもしれないけれど、絵空事ではない、この主人公なら、ひょっとしたら達成できるかもしれない、想像するとワクワクする、そんな絶妙なメッセージを見つけていきましょう。」(本書抜粋)
シナリオのノウハウ本ではありませんが、学ぶことがいっぱいの内容です。
「理念なくして成功なし」本の帯です。
あなた自身の理念を、作品の理念を作り上げていきましょう。

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