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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

同じネタでも視点が違うと全く違うものが生まれる、一人一人違うから創作ができる

百花(文藝春秋刊行)

負けん気

シナリオ・センター代表の小林です。今日は眠いです。何しろ寝たのが4時過ぎです。といっても、仕事していたわけでもなく、先週から始まった全仏オープン、大坂なおみ選手と錦織圭選手の試合が交互に行われていたので、毎日応援していました。
大坂なおみ選手は、残念ながらベスト16で破れてしまいましたが、昨日というか今朝方まではBEST8を賭けた錦織圭選手の試合がありました。
それが前試合の他選手の試合が長引いて、なんと日本時間で午前2時から始まり、4時過ぎまで・・・。
もう見ないで寝ようかなぁと思ったのですが、その前の試合がこれこそ死闘という感じのフルセットマッチだったので、疲れが出ていないか心配でやっぱりドキドキしながら見てしまいました。
日没になり3セットまでで延期となり、おかげで4時には寝ることができたのですが、錦織圭選手の2-1で今日に延期となりました。
これが吉と出るか凶と出るか・・・せっかくギアが入ってきたところだったので、心配。今日は急いで帰ろ!ホント心配性です。(笑)

錦織選手はもちろんですが、他の試合を見ていてもすごいなあと思います。
最後まで諦めない、諦めたら負けなのですから、どんなに苦戦していてもモチベーションを上げようと、勝機を掴もうと自分を叱咤激励しながら戦っています。
前日の錦織選手の試合だって5セット目、最初3-0で負けていたのです。
私のテニス仲間のほとんどはもう負けたと思って寝たという人が多かったですが、なんとその後からひっくり返したのですよ。
どこからそのエネルギーが湧いてくるのでしょうか、すごいとしかいいようがありません。
今日も頑張ってほしい!!

根性論は、私は好きではありませんが、自分がどのくらいがんばれるかを知りたいとは思います。
あなたも試してみたいなと思われるのであれば、サマーセミナー、最適です。(笑)
「シナリオ・ミッションインポッシブル・ザ・ファイナル」
12時間フルシナリオ漬け。かつ次から次へと襲いかかるミッションをこなしていく・・・それだけでも次のステップへの、プロへの自信がつきます。
今日から、各クラスへ「サマーセミナー」のお知らせをお配りしますので、どんどんご参加くださいね。
定員が1日70名ですから、お早めにお申込みください。例年キャンセル待ちがでています。

 

百花

 川村元気さんの新刊本が出ました。
川村さんは、大阪校出身のプロデューサーでいらっしゃいます。 ご存じ映画「電車男」で大ヒットを飛ばし、「告白」「悪人」「モテキ」「おおかみこどもの雨と雪」「君の名は」などの映画をプロデュースされ、200万部突破の大ベストセラー「世界から猫が消えたら」、「億男」「四月になれば彼女は」など小説も書かれる多彩な方です。

新刊は「百花」(文藝春秋刊)
認知症になっていく母親と息子の物語です。と、こういうと、介護の苦労物語かと思われがちですが、さすが川村さんの視点は違います。
音楽ディレクターの泉は、同じ会社でディレクターをしている妻香織が妊娠しており、香織が売り出そうとしている新人歌手の宣伝担当をかってでるなどしながら、生まれる子供を前に夫婦で忙しい日々を送っている。
大晦日に一人暮らしの母のところへ行くと、夜の公園でブランコに乗っている母を見つける。母は泉の大好物のハヤシライスを作るためにスーパーへ買い物に出たのだという。
泉は、母子家庭。父親のことも知らされていない。ピアノ奏者だった母百合子がひとりでピアノ教室をしながら育ててくれたのだった。
大晦日にコートも羽織らずにブランコを漕いでいた母は、その日から徐々に壊れ始めていく。
認知症アルツハイマー型と診断され記憶を失っていく母と対照的に過去を思い出していく泉は、自分は父親になれるのだろうかという不安の中で、二人の封印されていた過去へと手を伸ばしていくのだった。

記憶を失っていく母親の姿を見つめていく息子の視点だけではなく、その二人の隠れた過去を思い出すことによって、大人として葛藤し、成長していく泉の姿が描かれています。
グランドピアノ、半分の花火、ハヤシライス、一輪挿しなど小道具を巧みにつかって、二人の物語を紡いでいく手腕はさすがです。構成も素晴らしい。
また、大上段に構えることなく、子供を育てながら働く女性の立場の難しさ、介護施設の問題提起も触れながら、母と息子の切ないラブストーリーのような物語が展開していきます。

「世界から猫が消えたら」「億男」「四月になれば彼女は」などの作品とは、また違った視点から、世の中を切り取っていく川村元気さんならではこの「百花」、是非ご一読ください。
見方は様々にできるのだという、自分視点を今一度探すことができます。

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