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シナリオ・センター

代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

青山育ち

南青山時代にシナリオ・センターだったビルの解体

南青山のシナリオ・センター

シナリオ・センター代表の小林です。昨日の大雨は各地に被害をもたらしたようですがいかがでしたでしょうか。お見舞い申し上げます。
私は、たまたま大阪へ土曜日へ行った代休をとっていたので、のんきに大雨の被害にも合わず、半日ひたすら散歩へ行きたがるハルに「雨が上がったらね、夕方には上がるからね」と説得を重ねておりました。申し訳ありません。
今日の東京は一転して青空、初夏そのものです。
久々に所長の後藤と外へランチに出ました。お天気のよさに誘われてブラブラと。後藤と4半世紀過ごした前のシナリオ・センターの前を通りました。
なんと、なんと解体中。
後藤はとても悲しそうでした。後藤にとって新井と二人三脚で頑張ってきた時代の場所ですから、ことのほかの想いだったのかと思います。
ランチしながら、後藤から聞く話は、新井とシナリオ全国行脚したときの話が中心でした。大変だったけど、日本中にシナリオを普及させたいと一番キラキラしていた時だったのでしょう。
時は、容赦なく変化していきます。昔を偲べば偲ぶほど年を重ねたのは、シナリオ・センターだけでなく私たちこそだと実感させられます。
南青山に25年、北青山に24年、シナリオ・センターの歴史は青山で重ねています。
続けていられる今の幸せがありがたく、続けていくこれからを前へ前へと進んでいきたい。
懐かしのシナリオ・センターよりも、これからのシナリオ・センターを考えることの方が私は好きです。

北青山のシナリオ・センター

 私は、10数年前から「シナリオ日記」を書きませんかとそこかしこで申し上げています。
08年に出した「今日からシナリオを書く生き方」(彩流社刊)では、高齢者の方に老後を楽しく暮らすためにシナリオを書こうとお話をしてきました。
でも、昨今あまりにも他人(ひと)の気持ちが読めない方が多くなった気がして、老後の楽しい暮らしのためだけでなく、日本中の人にシナリオ日記を書いてもらいたい、最低限政治家の皆様には毎日書いていただきたいと思ってしまいます。新井一のDNAか?(笑)
 シナリオのよいところは文章ではないけれど、文章で書くところ。
よくわからないことを言っているようですが、文章で書けばわかる気持ち(心理描写)や目的、状況もシナリオ・映像表現では書けないからです。
例えば、「花子は心の底から太郎を愛していると思った」とか「殺してやりたいほど憎いと思った」という文章表現はできても、映像で映るのは花子の愛くるしい顔であったり、睨みつけている表情くらいにしかなりません。
で、どうするかというと、心から愛している表現、殺してやりたいほど憎い表現を「みえるように描こう」とするわけです。
どんな動作をすれば、どんなものを使えば、どんなセリフをいえば、誰に言ったら、どういう風にみせれば、視聴者や観客に分かってもらえるか・・・それを表現するのがシナリオなのですね。
日常生活でも、そうですね。見えるものだけで感じるしかありません。
あんなに仲良くしていた人が急に冷たくなったり、こんなに愛しているのにわかってもらえない、あなたのことを思っていたのに、あの人の本心はどこにあるんだろう?本当は何を思っているの?・・・伝わらないこと、わからないこと、たくさんあります。
では、どうしたら自分の気持ちが伝わるのでしょう、どうしたら相手の気持ちをわかることができるのでしょうか。
シナリオは、アクションとリアクションでできています。
シナリオ日記では、その日の出来事をそのまま録画を巻き戻すように描きます。
自分が言ったセリフ、その時の動作、表情、相手のセリフ・動作・表情を描き起こします。 そのまま、録画のようにアクションリアクションを。
「ごめんなさい」と謝ったB君を殴ってしまったA君、先生に怒られます。「B君が謝ったのに、殴ったAは悪い」と先生。
実はB君はへらへら笑いながらいかにもばかにしたように謝ったので、A君は殴ったのです。その状況がわからなければ先生に怒られてしまう。
本来は映像で巻き戻せばいいのですが、シナリオで書き起こしてみるともっと定着していいと思いませんか。
先生が、B君がA君にどんなふうに謝ったのか、A君が殴りたくなったB君の動作・行動などに対してイメージ力があれば違った結果になったはずです。
常に客観的にみるということは難しいことですが、シナリオ化してみると案外客観的によく見えてくるから不思議です。
シナリオを描きだすと、色々なものに目や耳が行き、人間観察も深くなっていきます。
ふざけているのか、いじめているのかもきっと見えてくると思うのですが・・・。
今日からシナリオ日記を書いてみてはいかがでしょう。

過去記事一覧

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