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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

人のため

NEXTchallenge2018

数(かず)

シナリオ・センター代表の小林です。昨日今日と秋のような爽やかさで、このまま秋になったらいいなあ・・・と思いつつ、全然信用していない自分がいます。(笑)
またあの暑さが、また台風が・・・地震もくるかも。とても考えられない夏でした。
暑さの次は寒さ、北海道の方はもはや寒さに震えていらっしゃるとのニュースもありました。
日本中にどれだけ被災され、元の生活にもどれない方がいらっしゃるのでしょう。
東日本大震災、福島原発から数えても、熊本地震、島根地震、大阪北部地震、北海道地震、広島・岡山・大阪などに甚大な被害を及ぼした7月豪雨、次から次へと襲う台風12号、20号、21号・・・等など、今も尚つらい避難生活を強いられている被災者の方々は、驚くほどの数いらっしゃるのです。
お上は、声だけは張り上げるけれど、本気で手を差し伸べてはいないのだ・・・そんな気がしてしまうほどの大きな数字です。
数字だけで見ていては、本気なんか誰だってでてはきません。
ひとりひとりがそこで生き、生活している生身の人間として対峙しなければ、とても被災者に寄り添い、元に戻してあげなければという気持ちは湧いてきません。
被災者の方の避難生活も、欧米ではホテルなどを使い、仮設住宅も簡易的なものではなく、体育館や公民館などを使うことはほとんどないと聞きました。
本当のところは知りませんが、日本では 無理なことなのでしょうか。何もできないお上でも、せめてもう少し快適な暮らしを考えてあげられないものでしょうか。
自衛隊や消防、警察、ボランティアの方々が一生懸命に力を出して下さるのは、力を出すことができるのは、現場で一人一人の生身の人間と接しているからにほかなりません。

浅田次郎さんの小説「終わらない夏」は戦争末期のお話しですが、いかに国民は数としか見られていなかったことが克明にわかる小説です。
哀しいかな、私の叔父も南方の島で戦死した何万人の1人でしかなく、〇〇〇男ではなく、南方で遺骨もなく消えた兵隊の1人でしかすぎなかったということです。
幼い3人の子どもと妻を遺して無念に散った夫であり父であった〇〇〇男は、数字の1です。
今も、まったく戦時中と変わらないなあとしみじみ思います。
被災された方々へどんなことができるのか、私たちも一人一人が考え、行動しなければいけないのですね。

チャレンジ

「ネクストチャレンジ2018 あなたのチャレンジしたいこと」を募集しています。
人生100年時代を見据えて三菱UFJ信託銀行が主催ですが、審査員は、出身ライターの内館牧子さんとチェルノブイリ、福島と原発のこどもたちの診療をしていらっしゃる諏訪中央病院院長で作家の鎌田實さんです。
タイトル「誰かのためにチャレンジしてみたいこと」(30字以内)
本文200字から400字程度 その人のためにチャレンジしたい理由やエピソードを書いてください。
ベストチャレンジ賞 ギフトカード30万円・小冊子掲載。

シナリオのコンクールでもないのに、なぜこのコンクールをお勧めしているかと申しますと、どんな長編でも3行ストーリーで言えないものはダメだと、新井一は言っていました。
要は、書きたいものの核を抑えていなければ、他人に伝わらないということです。
短い中に自分の想いを込める、短いからこそ、伝えたいことをしっかりと表現しなければ伝わりません。
要点をまとめるだけでなく、そこに人間が描かれていなければ、読み手は感情移入してくれません。
思いの外難しい課題だと思いました。
自分の為でなく他人のためにチャレンジしたいものというのも、シナリオの、ディテールのいい勉強になると思いました。
しかも、百戦錬磨の人間を描いたら比類ない脚本家内館牧子さんと常に弱者と真剣に対峙していらっしゃる医師鎌田先生が審査員なのです。
だからこそのお勧めです。案外高いハードルですぞ。(笑)
数字でもない、ロボットでもない、あなたのそばに生きている人間を想ってチャレンジしてみてください。

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