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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

生きていく

きよらかな水のように~私たちの1945~

想像力

シナリオ・センター代表の小林です。世界中が異常気象です。アメリカ、ヨーロッパ各地で高温に見舞われ、北アフリカなどは50度越えとか、中国は大洪水とか大雨から干ばつ等々、地球はどうしたのかと思うほどです。
それなのに、日本には、のんきな人たちがたくさんいるなあと思います。
命に関わる暑さと気象庁が発表しているにもかかわらず、子供たちを外に連れ出したり、エアコンもないところで大勢で集会を開いたり。 元気に学校へ行かせたら、病気になって帰ってきた、亡くなって戻ってきたでは、あまりにもひどすぎます。
学校にエアコンをつけて欲しいと言えば、子供に我慢を教えなくてはとか、自分が子供の頃は・・・などというおかしな精神論で拒否する行政とはなんなのでしょう。

精神論を説く大人たちが子供時代と今は気温そのものが違うのです。
私は、小学生の時、夏休みの百葉箱の当番をしました。毎日百葉箱の温度計を見て記録するのですが、30度を超えることはほとんどなく、30度を越えたら大騒ぎでした。
40年近く前の夏は今よりずーっと温度は低く涼しく、冬は寒かったのです。
体温より高い毎日とは違うのです。
人間だって38度も熱出したら大変なことなのに、この暑さに精神論を説く方は、エアコンつけずに自ら1日過ごしてみてはいかがでしょう。
想像力がないのなら体験していただくしかありません。
人は、皆考え方も想い方も違います。ですが、誰もに共通なのは命の大切さです。
亡くなった人たちを数字で捉えるのではなく、その人たちは将来があり、家族や友人があったひとりの人間なのだということを常に忘れないで欲しい、せめて上に立つ方々は、命を一番に考えて欲しいです。

私たちの1945

あの時も人として生きられない毎日がありました。
「清らかな水のように~私たち1945~」
7月24日(火)~29日(日) 新宿シアターモリエール

毎年、何人かのライターズバンクの方々を育ててくださっているドラマデザイン社さんの公演です。
「清らかな水のように~私たちの1945~」は、2016年初演、昨年も再演となる大変評判の高いお芝居です。出身ライターの元井久美さんが制作されています。

このお話は、修学旅行で沖縄にきた女子高生2人が、平和祈念資料館見学をサボって抜け出した矢先、1945年6月、激戦の沖縄にタイムスリップしてしまうところから始まります。
ご存知のように、1945年の沖縄は、4月に米軍が上陸し、軍民が混然となって最後まで戦いました。集団自決、日本軍による住民虐殺など様々な悲劇を生み出しました。
その沖縄に女子高生ありさとマキはタイムスリップして、そこで米軍の激しい攻撃から逃げる女子学徒隊と遭遇。5名の少女たちが日本兵と行動を共にし、年齢は同じなのに米兵と戦って死のうと誓い合う姿を見ても、2人は「体験学習かなんかじゃん」と勘違いをするほどノー天気。
ですが、それが本物の戦闘だったということがわかり、共に逃げ惑う2人は・・・。

何も知らない女子高校生は、私たちの鏡です。
実際に戦争を生き抜いてきた方々が一番危惧されるのは、悲惨な戦争を知らない者がまた戦争へと引き込んでいくのではないかということです。
知らない、過去のことですませないで、~私たちの1945年~でなくてはならないのです。
戦争について、ちゃんと向き合うことが大切なのだと思います。

岡田惠和さん脚本の「この世界の片隅に」(TBS日曜21:00)をはじめ、8月は戦争を扱うドラマを見ることができます。
戦争を様々な切り口でみせてくれることでしょう。みんなで考えていきたいです。

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