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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

忘れてはならないこと

火垂るの墓より

慰霊の日

シナリオ・センター代表の小林です。W杯はセネガルと引き分けました。頑張りました。次はポーランドです。戦いはスポーツだけでいいとサッカーを応援しながら思います。
6月23日は、沖縄の慰霊の日でした。 沖縄の住民の2割近くの方々が犠牲になりました。
天皇陛下は、「日本でどうしても記憶に残さなければいけないことが4つあると思います。終戦記念日、広島原爆の日、長崎原爆の日、そして6月23日、沖縄の戦いの終結の日です」とおっしゃって、毎年黙祷されていらっしゃるそうです。
慰霊の日に、沖縄の中学3年生相良倫子さんが、「生きる」という詩を読まれ、その詩に大きな反響がありました。
沖縄の慰霊の日を日本人の、本土のどのくらいの人が御存じなのでしょうか。
最近、終戦記念日も、広島・長崎の原爆の日も知らない方が増えていると聞きます。
15歳の少女が、真剣に戦争というものに向き合っているのです。
日本人のひとりとして、犠牲になった方々に想いを馳せ、戦争についてきちんと考えなくてはいけないのだと思わされました。
詩の一部に
「みんな生きていたのだ。 私と何も変わらない 懸命に生きる命だったのだ。
彼らの人生を、それぞれの未来を 疑うことなく、思い描いていたんだ。
家族がいて、仲間がいて、恋人がいた。
仕事があった。生き甲斐があった。
日々の小さな幸せを喜んだ。
手をとり合って生きてきた、私と同じ、人間だった。
それなのに。
壊されて、奪われた。
生きた時代が違う。ただ、それだけで。
無辜の命を。当たり前にいきていた、あの日々を。」(後略)

この世界の片隅に

7月期のTBSの日曜劇場は、あの名作「この世界の片隅に」が出身ライターの岡田惠和さんの手によって実写化されます。
相良倫子さんの詩のように、何気なく生きていた私たちと同じ人々のお話しです。
同じこうの史代さん原作の「夕凪の街 桜の国」、8月6日広島原爆の日にNHKで出身ライターの森下直さんの脚本でドラマ化されます。
広島で生きていた人々が原爆投下される前どんな生活を送り、その後どんな運命をたどっていったのか・・・。
戦争当時、浅田次郎さんによれば、国民は数字でしかなかったといいます。何万人の一人一人に名前も家族も将来もあることを、お上の誰も思いもよらないのです。
戦争がいかに悲惨かと声高に語る以上に、どこにでもいる何気なく生きている私たちの日常が、失われていく日々は、その場で殺される以上にひどく胸に堪えます。
少なくとも創作者を目指すものであれば、ドラマを楽しみながらも、そんな日々を自分の上に想像していきたいものです。

沖縄戦で自決された太田少将が、「沖縄県民かく戦えり。県民に対し後世特別のご高配を賜らんことを」と打電したことは有名なお話ですが、果たして、この願いは通じているのでしょうか。

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