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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

リバースダイアリー

澤田監督&園田監督のトークショー

うまい!

シナリオ・センター代表の小林です。昨夜は、園田新監督の映画「リバースダイアリー」を観に行ってきました。
昨日の日記にも書きましたが、なにしろ昨日はことのほか眠かったのです。会社にいても眠くって、PCをうちながらうとうとするくらい。(笑)
なので、レイトショー21時からの上映なので、大丈夫かな~、眠っちゃったらどうしよう、失礼だよね~と思いながらお伺いしました。

最初のシーンから惹きつけられました。 男女の別れをにおわせるようなシーンなのですが、どちらの顔も出ず、トランクを引いて去っていく女性の後ろ姿と見送る手を振る男性の姿しか映っていない。なんだろうというところから始まります。そして、場面が切り替わる。
最初はちょっとゆったりと流れているので、全編この感じなのかなあと思いながら見ていくと、どんどん変わっていくのです。
内容が畳み込まれるように変わっていくので、どんどんテンポが速くなっていくような錯覚を起していることに気がつきました。

ネタバレしてしまうと、これから観にいらっしゃる方に申し訳ないので、これ以上は申しませんが、ある意味究極のラブストーリーであり、サスペンスであり、人間の心の深遠をみつめる心理劇でもあります。
シナリオ・センター禁じ手の回想を多用しているのですが、回想でそれぞれの視点を変えていくという深層的構成で、これほど回想を上手く使っている映像を久しぶりにみました。。

回想法

シナリオ・センターは、回想のやり方はお教えしますが、「基礎の間は使わない」禁じ手としています。
それは、回想を使うと説明になってしまって、ドラマが面白くなくなることが圧倒的に多いからです。
昔、夏期合宿の時にジェームス三木さん、柏原寛司さん、岡田惠和さんのお三方においでいただいて、鼎談をお願いしたことがあります。
そのとき「回想は使うなとセンターではいわれるのですが、どのように思いますか」という質問がありました。
御三方が異口同音に「回想は両刀の剣、うまく使えればすごく効果だけれど、ヘタに使うとドラマを台無しにしてしまう」とおっしゃっていました。
その後半年くらいは、回想を書く受講生が誰もいらっしゃらなかったことを今も鮮明に覚えています。(笑)

それほど、回想は難しい。簡単に使えるだけにとても難しいのです。
回想はある意味説明セリフと同じですから、ドラマの面白さを半減する可能性は大きいのです。 だから、本当に必要かどうかがわかるまでは、使わないこと。
回想を使いたいところを使わずに書いてみると、本当に必要だったかがわかるのです。

「リバースダイアリー」は見事に回想を使って、リバースする映画です。(笑)
リバースの意味をじっくり味わっていただきたいと思います。
金曜日までですので急いでおいでください。
うまい回想を研究したい方には、何度もリピーターできる、リピーター割引1200円で観ることもできます。

映画終了後トークショーがあり、園田監督とゲストは澤田サンダー監督でした。
おふたりともシナリオ・センター出身。かつ函館港イルミナシオン映画祭でシナリオ大賞を受賞した仲です。
澤田監督は、伊参スタジオ映画祭長編の部で最優秀賞を受賞した「ひかりのたび」を公開。地方で不動産屋を営み地上げする父とその土地に棲み続けたい娘との葛藤をモノクロで描き、話題を呼びました。

おふたりの接点はコンクールですが、おふたりともご自分で脚本を書き、監督をされる方で、そんなお二人のお話しは監督を目指す方にきっとプラスになることでしょう。今度、シナリオ・センターでもお話ししていただきたいと思いました。

毎日、色々な方をゲストに迎えトークショーつきで上映されます。どちらもお楽しみください

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