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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

面白ければ、何度も観たい、何度も読みたい

わーい!一位だ!

シナリオ・センター代表の小林です。ちょっと暖かくなったかと思うとまた寒くなる・・・東京の今日は寒いです。
三寒四温とはよく言ったもので、暖かくなったり寒さが戻ったりしながら、春になっていくのです。
でも、正確に言うと中国や朝鮮半島での気候らしく、日本では三寒四温は少ないとか。
それでも季語のように春の訪れを待つ感じ、漢字が(笑)なんとなくしっくりくるから不思議です。

ファンが選ぶ名作エピソードベスト10という人気投票で「木曜ミステリー科捜研の女」(テレビ朝日)が放送200回を記念して行ったところ、出身ライターの李正姫さんが書かれた「マリコVSバスジャック犯100均グッズで決死の鑑定」(2017年3月2日放送)が200本の中からベスト1位に選ばれました。
拍手!!!!
さすが李さん、すごい!
200本の中から「また見たい」という作品に選ばれるって、しかも視聴者にですから、なによりうれしいですね。
再放送が来週3月15日(木)14:06~にあるそうです。是非、ご覧ください。

文庫化

昨日いらしてくださった大山淳子さんの「猫を抱くもの」が映画化と合わせて文庫化されるそうですが、文庫化になる本が最近とみに多くなりました。

出身ライターでの講師の柏田道夫の「疾風独楽 つむじ風お駒事件帖」がなんと18年ぶりに文庫化されます。
このお話は、柏田が時代小説を書き始めた頃の作品ですが、文章もこなれていてとても面白く読ませていただいたことを思いだしました。
「つむじ風お駒事件帖」(改題・徳間時代小説文庫刊)
主人公の曲独楽師お駒はおきゃんで一本気な15歳。前髪を垂らして茶筅形に束ねた総髪の断層で舞台に立つ。父親は名高い曲独楽師でありお上から十手を預かる親分でもある。親友のお葉は軽業師でその裏の顔は名だたる盗賊の娘と何しろキャラクターの濃さは、今も昔も変わらない柏田流。
彼らの活躍がワクワクハラハラドキドキさせて、かつ時代考証も明確で、その時代の浅草奥山を中心にまるで映像がみえるように書かれています。
「通好みを満足させる」と書かれていますが、それはまさに柏田がきちんと歴史を知り時代を描けるからこそのことだと思います。
身につけている知識教養が如実に表れるのが時代小説で、現代を単に江戸時代にワープさせただけという時代小説も多い中、しっかり時代を描いて、読ませる作品になっています。
時代小説を書きたい方には勉強にもなる一冊です。
とはいえ、面白くってどんどん読み進んじゃいますけれど、それはそれ。2回目は心して読んでみるというのもよいかと思います。

出身ライターの森美樹さんの単行本デビュー作の「主婦病」(新潮文庫刊)が文庫化になりました。
「眠る無花果」「まばたきがスイッチ」「さざなみを抱く」「森と蜜」「まだ宵の口」「月影の背中」
短編集ですが、微妙に絡み合ってお話を紡いでいきます。
登場人物の誰もがなんでもない人達のはず。
私たちの誰もがどこかで抱えている不安や不満、日常の残酷さと理不尽を描き出しています。
タイトルは「主婦病」ですが、主婦向けとかではなく、誰もが持っている心の奥を描いているので誰にでも読んでもらいたい一冊です。
3週間足らずで重版になったそうです。面白さの答えが出ている気がします。

文庫は持ちやすいし読みやすいし、気軽に読めるので、スマホが出る前は電車の中で読まれている方が多かったのに、今はあまりみかけません。
スマホもいいけど、文庫もね。(笑)
本を読むことは、ご自分の感性を磨くことでもあると思うのです。

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