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表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

さいのうをもどすこと いちばんだいじ

朝日新聞10/3記事

「書きたい」再挑戦の10年

シナリオ・センター代表の小林です。昨日の朝日新聞の夕刊に素敵な記事が載りました。 新聞を読むとうんざりすることが多い昨今、久しぶりに気分よく晴れやかな気持ちで読めました。
女子組という女性の活躍をとりあげるコーナーです。 女子をあえて取り上げるコーナーというのが、ちょっと気に入らないのですが(笑)、まだまだ男社会、女性の進出をどんどん見せて、次へとつなげていくことも大事なことですからね。

掲載コーナーは「彼女の10年」
取り上げられたのは、今年WOWOWシナリオ大賞で優秀賞、昨年BKラジオドラマ脚本賞で最優秀賞を受賞されたシナリオ・センター大阪校の新井まさみさん。
今週末から大阪校へいきますので、またお会いできたら嬉しいのですが。

『「書きたい」再挑戦の10年』
31歳で産んだ長女は幼稚園、小学校と元気に成長していった。娘の手を引きながら、家計のためにフルタイムの仕事に励んだ。日々に追われ、忘れかけていた「脚本を書きたい」の思い。その夢を再び見つけ、努力し、つかんだ10年だった。
年の離れた姉がいて、小学校のころから、大人の恋愛ドラマをよく見ていた。「金曜日の妻たちへ」「男女七人物語」。
脚本家に憧れを抱き、塾の講師をしながら、大阪にあるシナリオ・センターで学んだ。骨折しても京都から通い続けるほど夢中だった。
2002年テレビ朝日脚本コンクールで最終審査まで残り、東京であった勉強会に参加した。ドラマ制作の一線にいる人たちに9か月間しごかれたものの、その先に進めなかった。
2年後に長女を出産してからは、育児と家事と仕事がすべてだった。
10年のある日、自転車で転倒して2週間入院した。
病室ではあるけれど、久しぶりの1人の時間。ドラマを見たり、読書をしたり。すると再び書きたい意欲が湧いてきた。
長女から「さいのうをもどすこと いちばんだいじ」と手紙を渡されて、衝撃も受けた。
「好きなことができないのを、子どものせいにしていた」。
手紙を冷蔵庫に張りつけコンペに応募。それがきっかけで、恋愛ゲームの脚本の仕事が舞い込んだ。
毎週の締切に向け、朝4時起きで原稿を書いた。書く仕事で初めてお金をもらい、税金を納めた。自分を取り戻した感じがした。
15年には、NHK主催のBKラジオドラマ脚本賞で最優秀賞を受賞した。家族の不倫に揺れる少女を描いた物語で、タイトルは「ふたりの娘」。
初めて収録に立ち会い、自分がつづった言葉が流れたとき「ふるえました」。
今年6月に勤務先を退職した。さらに本腰を入れて脚本に取り組むつもりだ。
 「限りある時間の中で、女性は何をどんな順番で選んでいくのか。多くの人が試行錯誤の中にいる。そんな女性の生き方を書いていきたい」。自らの歩みを振り返り、いま思う。
(朝日新聞 2017年10月3日夕刊から転載させていただきました)

言い訳をしない 夢を夢にしない

全文を紹介させていただきました。
新井さんの想いがとてもよく出ていたことと、だれもが通る道だからです。
この想いは、新井さんがおっしゃっていらっしゃるように女性なら必ずぶつかることです。
男性社会の中で、女性が家事育児をないがしろにして仕事にまい進することは、まだまだ許されていません。
まして、海のものとも山のものともなるかわからない脚本家を、創作する仕事を目指すことは、とても大変なことです。
だから、「好きなことができないのをこどものせいにしていた」新井さんのように、ほとんどの方は自分に言い訳を作ります。
女性のみならず男性も、すべての人が「時間がない」、「忙しい」、「お金がない」、「才能がない」、「歳だから」・・・etcetc。
自分に言い訳をするのは簡単なことですが、それで夢を諦めてしまっていいのでしょうか。
どの言い訳も、新井さんの前には無意味です。
できるのです、やれるのです、自分を信じて、諦めなければ。
男女の区別なく年齢の壁もなくできる仕事でもあるのですから、脚本家は。
夢を見ている間は、ただの夢物語ですが、夢に向かうと夢は叶うのです。
でも、向わなければ決して叶わない。
あなたの夢はなんですか。

 

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