menu

脚本家を養成する
シナリオ・センターの
オンラインマガジン

シナリオ・センター

代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

セリフを言ってみる、会話をさせるとその人のイメージ、キャラクターが見えてくるby沖田修一監督

シナリオ・センター代表の小林です。今日は暖かくちょっと幸せな気分です。
沖田監督

昨日は「南極料理人」(2009)「キツツキと雨」(2012)そして、今公開中の「横道世之介」の監督・脚本の沖田修一監督が、「ミソ帳倶楽部 達人の根っこ」においでくださいました。
この若さですばらしい映画をバンバン撮っていらっしゃる監督さんなので、エッジがきいたバリバリした感じの方かと想像していたのですが、気持ちいいほどはずれて(笑)「横道世之介」みたいにほんわかやさしく暖かなかんじの方だったので、びっくりしました。
お話し振りも、なんともいえない優しさに溢れていて、すっかり虜になってしまいました。
お話をお伺いしたら、このお人柄だからこそできた映画なのだと腑に落ちました。
人を見つめる眼が優しいんですね。
そんな沖田監督が、魅力的なシナリオを創るには、やはり見た目と違って、すごいことをやっていました。(笑)
直しが一番苦手だとおっしゃる沖田監督ですが、なんと3稿まではワードを全部消して、一から書き直すのだそうです
捨てるという作業は、人間の本質からいってもたいへんなことだと脳科学者の方からお聴きしたことがあります。
一生懸命創ったものを捨てる・・・これはライターなら悩みに悩むところですよね。
TBSの伊藤プロデューサーも同じ事をおっしゃっていて「動かなくなったら、全部捨ててしまわないといいものができない。ヘタなライターほど捨てられない」と。
沖田監督は、こうしてやっているうちに本当に書きたいものが見えてくるそうです。
もうひとつ、沖田監督は、必ずセリフを書いたら、ご自分で声にだして言ってみる。
ちゃんとした話し言葉で書いてあげると役者さんがやりやすいし、感情移入しやすいのです。
セリフを声に出して言ってみる、会話させてみると、その人のイメージ、キャラクターがみえてきます。
なるほど!だから、沖田監督のセリフは、すーーと入ってくるんです。
お若いのに(失礼!娘と変らない年齢なので、いわせていただきました)ちゃんと人の心の襞に入ってくるセリフが書ける、なかなかできないことです。
でも、そこまで行くには、シナリオライターを志している皆さんと同じように、のた打ち回っていらっしゃるんですね。プロもアマも変らない。プロとの差は、突き抜けられるかですね。
みなさんも、捨てる、セリフを言う・・・やってみてください。
沖田監督は「根拠のない自信がなくならないうちは、やろうと思った」とおっしゃっていました。
創作には正解がないものですから、「根拠のない自信」こそ大事です。 

過去記事一覧

  • 表参道シナリオ日記
  • シナリオTIPS
  • 開講のお知らせ
  • 日本中にシナリオを!
  • 背のびしてしゃれおつ