menu

脚本家を養成する
シナリオ・センターの
オンラインマガジン

シナリオ・センター

代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

葛藤もできない現実

シナリオ・センター代表の小林です。秋なのでしょうか。気温は下がってきましたね。 またまた台風が接近しているようで、今度の進路はどうなるのでしょうか。東北、北海道の災害ダメージは相当なもののようですが、大丈夫なのでしょうか。
日本文学

昨日、高橋源一郎さんと内田樹さんの対談を聴講しました。
最近の日本はヤバイという話のなかで、異論に耳をかさなくなったことがヤバイ日本を生んでしまったという話になりました。
貧すれば鈍すで、最近は、貧している人が多く、かつ将来を感じられないから、葛藤をする余裕ももてないのでイノベーションが生まれないのだといいます。
異論に耳を貸すには体力と精神力がいるというお話にひどく納得しました。 確かに、葛藤と対立は力が必要ですもの。
目先のことだけにとらわれてしまう、何も考えずに他人を傷つけて平気でいる傾向にあるのも、それが原因なのですね。

しかし、葛藤もできない世の中なんてありえない。これはゆゆしき問題だと思いませんか。
人は誰でも、葛藤し続けるからこそ、変化があり、成長していくのです。
ドラマで葛藤対立を描けというのは、主人公を変化させ、成長させるためなのに、葛藤もできない状況が現実にあるということに恐れを感じます。
誰かさんが「戦争するぞ!」と言ったら、「ハーイ!」ってなっちゃうってことではありませんか。葛藤しないことは、脳が停止していることと同じです。
こどもたちは奨学金と生活でバイトばかりで学ぶ暇もない、お上にリスクヘッジをする発想がないから、その場しのぎばかりで、何かやっても意味がないように思えてしまう。
将来などみえもしなければ考えることもできない現実はよくわかります。

ですが・・・こんなお話をお聴きしていたら、つい叫びたくなりました。
日本中のみなさん、シナリオを書きましょう!
現実の葛藤ができないのなら、まずドラマの中で葛藤してみましょう。
そうすれば、自然と想像力がついてきて、現実も見えてきます。

新井一のアイデアの出し方に、「新聞をさかさまに読め」、「あべこべを考えろ」というのがあります。
新聞やテレビなどの報道をただ「なるほど!」と思うのではなく「ほんと?」疑ってみる、何かあるのではと考えてみましょう。
右にあるものを左においたらどうなるの?あべこべに考えると視点が全く変わります。
真実は一つではありません。すべてに正解はありません。
人はそれぞれみんな違う人間なのだから、同じ考えだけではないということを常に心の片隅に思っていることです。
世の中の状況が悪くなればなるほど、葛藤しなくなる=自分で考えなくなる。
この思考をストップして、広く遠く見まわしましょう。想像力をフル回転しましょう。
私たち一人一人がちゃんと想い、考えれば、世の中はいい方向へと動くはずですから。

過去記事一覧

  • 表参道シナリオ日記
  • シナリオTIPS
  • 開講のお知らせ
  • 日本中にシナリオを!
  • 背のびしてしゃれおつ