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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

子供に力を

シナリオ・センター代表の小林です。東京は青空です。ゴールデンウイークに行ったベネチアの青空が、「真っ青ってこういうこと!」っていうほど真っ青だったので、それに比べるとちょっと汚れているかんじの東京の青空、残念。なにが汚しているんでしょ。 
ベネチアの青空

行方不明だった男の子が、6日ぶりに4キロ離れた自衛隊の宿舎で元気に見つかったとか・・・いったいどういうことなのだろうと、まさかのびっくりする展開ですね。無事に元気で本当に良かった。
聞きかじった話では、この男の子、かなりの悪がきで、両親も学校の先生もてこずっていらしたとか・・・。
でもね、悪がきって、エネルギーが溢れすぎていて、自分でどうしたら放出できるのかわからないのじゃないのかな。

私も、小学生にシナリオをお教えさせていただいていますが、大人から悪がきってレッテル貼られている子供ほど、ツボにはまるとすごい力を出してくれます。
その子が持っているツボさえみつけてあげれば、そこへエネルギーを放出して、普通以上に力を出させるのだと思うのです。
シナリオを書いてもらうと、結構ツボにはまってくれます。
「なんでもありだよ!好きに書いていいよ」って、シナリオを書くとき言うのですが、子供は「ホントに?」って、先生の顔をチラッと横目で見ながら、しつこくしつこく聞いてきます。(笑)
創作ですから、自由になんでも書いていいのは当たり前と、大人は思っていますけれど、子供にとって「なんでもあり」ってあり得ないのです。
子供は大人に束縛されていますから、子供は大人の言うことをきかなくてはいけませんから。

学校では、机の前で固い椅子に座って、じーっと先生の話を聞かなくてはいけないし、規則や決まりごとは守らなくてはいけない、給食は食べなくてはいけないし。
作文だって、ハッピーエンドじゃないとハナマルはもらえないのです。「あいつは大嫌いです。明日はゼッタイぶん殴ってやります」なんて書いたら、怒られちゃいますからね。

大人は、今の教育は、子供自身に、何故こうしなければいけないのか、こうするといいのかということを考えさせていないのです。
だから、大人の言うことは、子供にとって理不尽に聞こえています。
シナリオを書くことに子供が楽しんでくれるのは、子供自身が考えることができるからです。
シナリオの中では、人を殺してもいいのです。でも、その時になぜ殺したいのか、なぜ殺されなくてはいけないのか、その背景事情も考えないといけない、当然キャラクターも動機も考えなくてはいけないのがシナリオ・・・ちゃん考える手段がわかれば、子供は自分なりにチャンと考えてくれるのです。

シナリオは、考える、想像するための手段です。禁止事項や縛りを作るのではなく、考える力、想像する力をつけることでもっと子供はイキイキと、素敵な大人へ成長してくれるはずです。
どっかの憲法草案のように、愛国心を持てとか、公共のために尽くせとかアホな縛りはいらないのです。きちんと税金を正しく使ってくれて、他人への想像力さえあればね。
すべての人に想像力を!!

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