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“どんぶらこ、どんぶらこ”には、何気にすごい効果があった

シナリオ・センターの新井です。誰もが知っている昔話のひとつに『桃太郎』があります。子どものころに、ドキドキしながら話を聞いた記憶ありますよね。この『桃太郎』の桃が、川から登場するシーン“どんぶらこ、どんぶらこ”には、物語を面白くする重要な秘密が隠されています。
“どんぶらこ”効果を使うと、あなたのシナリオも、小説も、マンガも、普段のおしゃべりも100倍魅力的になります。

 

①桃が流れてきたインパクトが伝わる

『桃太郎』の冒頭のシーンと言えば、「昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんがいました。おじいさんは山に柴刈りに。おばあさんは川に洗濯に行きました。おばあさんが川で洗濯をしていると、上流から大きな桃がどんぶらこ、どんぶらこと流れてきました」ですよね。

“どんぶらこ、どんぶらこ”たったこれだけですが、もしもなかったらどうでしょうか。「おばあさんが川で洗濯をしていると、上流から大きな桃が流れてきました」になります。

“どんぶらこ”がないと、桃が流れてきたインパクトがありません。なぜなら、お話を聴いている側に、桃が流れてきたというイメージがイキイキと湧かないからです。

 

②桃の大きさが伝わる

“どんぶらこ”とは、不思議な擬音ですが、なんとなく桃の大きさや重さのようなものが伝わってきます。“大きな桃”といっても、普通の桃の一回りくらい大きいのか、それこそ、赤ちゃんが入るくらい大きいのかはわかりません。
だからといって、赤ちゃんが入るくらいの大きな桃と描写されると、説明的で物語の世界に入っていけません。

 

③川の流れのゆるやかさが伝わる

また、桃の大きさだけではなく、川の流れもイメージすることができます。“どんぶらこ”というだけで、大きな桃が緩やかな川の流れに乗って流れてくるイメージができます。
これが、もしも“じゃぶじゃぶ”だと、だいぶイメージが違います。“どんぶらこ”が物語のトーンも伝えていると言えますね。

アクションドラマだと、けたたましいクラクションの音や雑踏のざわめきなどから始まるシーンをよく見かけます。あれは“逆どんぶらこ”効果という感じで、落ち着かない雰囲気、何か不穏な感じを音を使って、観客のイメージに刷りこんでいると言えます。

 

要するに、“どんぶらこ”は、聴き手に映像的なイメージを喚起させるための仕掛けなのです。映像がイメージできると、ドラマはもちろん、昔話でも、小説でも、普段のおしゃべりも魅力的に伝えることができます。
逆にいえば、“どんぶらこ”効果が使えないと、つまらない話になってしまうのです。
映像をイメージできるように伝える技術は、そうです。シナリオの中にあるのです。(シナリオの基礎講座についてはこちらから
ちょっとだけ大げさに言うと、読み書きそろばんの次は、シナリオなのです。

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