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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

緊急事態の中でもいいお話はいい

シナリオ・センター代表の小林です。「沖縄慰霊の日」です。「沖縄全戦没者追悼式」が行われ、黙とうを捧げました。
高校生が大伯母さんの記憶を受け継ぐ決意を「みるく世(ゆ)がやゆら(今は平和でしょか)」という詩に託して、追悼式で読まれました。
どのような気持ちで安倍首相は聞かれたのでしょうか。
戦争体験のない者でも、戦争の犠牲になっていないとは限らないということも、戦争をくぐってきた人の今も残る心の傷も、ちゃんと想像して、人として何をすべきかを考えるべきだと思うのです。
「命どぅ宝」決して忘れてはなりません。 

 ミソ帳倶楽部 内館さん

昨日は、内館牧子さんがミソ帳倶楽部においでくださいました。が・・・。
30分前にいらしたのですが、内館さん、股関節の関節炎がひどくおひとりでは歩行困難、センターはエレベーターがないので、3階に上がれないという緊急事態が発生。
さて、困った。1階の部屋は空いていたのですが、キャンセル待ちもでている120名の参加者の方々に入っていただくほどの広さはない。
もうギリギリの時間の中で、事務局一同頭をひねり、1階でご講義いただいて、それを3階で映像で見せるという、センターでは一度もやったことのない離れ業に挑戦することになりました。
大した設備も、有線等もないので大丈夫か・・・初めてのことで、全員心配で胸がつぶれそうでした。

内館さんからは、できる限り直接聴いて欲しいとおっしゃるので、1階には無理やりギュウギュウづめで60名ほどの方をじゃんけんで決めさせていただいて・・・。
ともかく、椅子を2階から運び、机をどけて、30分の間にめまぐるしい展開になりました。参加者の皆様、本当に申し訳ありませんでした。
 

座ったら立つのが大変だとおっしゃって内館さんは、痛い足で立ちっぱなしでご講義。10分遅れちゃったからと律儀にその分も延びて、最後はお一人お一人に握手して声をかけてと痛々しいまでに頑張ってくださいました。

ご講義では、参加者の習熟度が違うから質問を先によこしてというご注文くださっただけに、わかりやすくご自分の作品を例にとってお話をしてくださいました。
とくに、おっしゃっていたのは、センターでも教わったはずだけれど、シナリオを描くとき、大きな間違いはストーリーを作ってしまうこと。
ストーリーは後、まずキャラクターをしっかり時間をかけて作ること。
キャラクターが動き出すと作者のセリフではなく、登場人物のセリフとして伝わるが、キャラクターができていないと作者の生の声になってしまう。
ストーリーを考えてしまうと、登場人物の動きをストーリーにあてはめるから、面白くならない。とピシャリ!! 

自分の書きたいことを明確に一口でいう・・・これが幹。何を書きたいかでストーリーではない。
例えばと、大河ドラマ「毛利元就」を例に挙げてくれました。
「零細企業の次男坊が58歳から立ち上がり大企業の社長になる話」が幹。なるほど、わかりやすいですね。

特にファーストシーンは大事。
ファーストシーンでは、こういうお話ですよと幹をわからせるのですが、ナレーションなどで説明してはダメ、細かいディテールで表現することと、7月から始まる「エイジハラスメント」のトップシーンを話してくださいました。もちろん、ここには書けません。(笑)参加者特権です。放映日をお楽しみに。

そして、今回の新井一賞、ファーストシーン20枚、シナリオの一番大事なところだから、ゼッタイに挑戦してほしいとエールを贈ってくださいました。

 た
ぶん、参加者の皆さんはご不満も多々おありになったかと思うのですが、ご講義はとても素晴らしいものでした。
現在7月期の連ドラ「エイジハラスメント」を描かれている内館さんは、即手術が必要なのですが、書き終わるまで痛みに耐えながら、執筆に励まれるそうです。お大事になさってください。
お元気になられたら、もう一度ご登場いただければと願っています。 

この場を借りまして、ご参加の方々には、万全な状態でご聴講をいただけず、失礼をお詫び申し上げます。申し訳ございませんでした。 

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