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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

もの書き

#台所のあるところ(文藝春秋刊)

ドラマこそ

シナリオ・センター会長の小林です。GW明けでなんとなくバタバタしているシナリオ・センターですが、今日は、明日開講の157期シナリオ作家養成講座の超直前説明会を19:00から行います。
明日開講なので、本当に本当に超直前。「シナリオ創作を始める覚悟を決めて!」と迫る時間になるのかなぁ。(笑)
私は、こういう混沌とした時代だからこそ、日本中の人にシナリオを書いてもらいたいのです。日本人全ての人が、自分で考え、想い、表現力を持つということが今の世の中には何より必要だと思うからです。
強い者に巻かれなたちが増えたら、きっと住みやすい気持ちの良い社会になると思うのですが。

朝日新聞の「記者レビュー」というラテ面のコラムに、「対決」(NHKBS)と「銀河の一票」(CX)について、「政治や女性差別といった現実の課題に向き合い、今を映し出そうとしている。こうしたドラマに出会うと、まだテレビは面白いと思う」と書いてありました。
「対決」は渡邉真子さん、「銀河の一票」は蛭田直美さん。出身ライターだからというわけではありませんが、お二方とも実にうまいです。
「対決」は終わってしまったので、オンデマンドまたは再放送で見てください。「銀河の一票」は放映中ですので見ていただければと思います。
ドラマは、対立・葛藤・相克を描くものといわれています。
この二つのドラマは見事なまでに対立・葛藤・相克が描かれ、深い人間ドラマとなっています。
最近の報道は、大本営発表ばかりでお上へ抗う気もなく牙を抜かれた虎のようなマスコミで、この二つのドラマに限らず、ドラマの方が社会をきちんとみつめ、表現しているように思います。
大上段に構えずに自分の考えや想いを沁み込むようにソフトに伝えられるドラマは何よりも素敵な表現舞台だと思うのです。

#台所のあるところ

出身作家原田ひ香さんの最新作が出ました。
「#台所のあるところ」(文藝春秋刊)
原田ひ香さんは、「三千円の使い方」が大べストセラーになり、お金(?)のお話しがうまいと思われがちですが、私はなんといっても食のお話しが好きです。
ランチ酒シリーズ、古本屋食堂、定食屋「雑」、喫茶おじさん、図書館のお夜食・・・思い出すまま並べましたけれど、原田さんのなにがすごいかって、同じ「食」を扱っていても、発想、視点がめちゃくちゃ面白い。
「ランチ酒」は、主人公は見守り屋というありえない職業の主人公が夜勤明けに飲む一杯を、「古本屋食堂」は神田神保町の古本屋を舞台に神田の美味しいものと住む人々の温かさ、「定食屋『雑』」ではまじめで堅物の主人公が「雑」の妙味を知り、「喫茶おじさん」は早期退職のおじさんの喫茶店巡りから始まり、「図書館のお夜食」は物故作家の本ばかりだけの夜7時から12時に開く図書館と、ともかくどの著作も設定が魅力的で、驚きべき発想、鋭い視点にいつも感心してしまいます。

今度の「#台所のあるところ」、今更私が言うことでもない設定の面白さ、そして今回は特に構成のうまさに脱帽です。
「台所のあるところ」という深夜のテレビドラマを横軸に、住まいも、暮らし方も、家族構成も、年代も全く違う6人の女性たちが縦軸に、それぞれの気持ちの変化を描いた見事なお話しです。
しかもこの「台所のあるところ」というドラマと、それに対するXでの投稿で6人の女性の気持ちが微妙に交差する、なるほどXはこういう使い方があるのかぁと驚嘆。
純文学で小説家デビューされた原田さんですけれど、やはりシナリオを学ばれたからなのかわかりませんけれど、エンタテイメント性に長けていて、どのご本も惹きつけられます。

岡田惠和さんも原田ひ香ファンで、特に「一橋桐子の犯罪日記」はご自分がドラマ化したかったと悔しがられたほど。
大脚本家に、この原作を自分の手で映像化したいと思わせられるって、どれだけ魅力的なのかわかりますね。
原田さんの作品は読ませるだけでなく見せる小説、ドラマにしたい小説でもあると思います。

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