凍える牙
シナリオ・センター会長の小林です。気候の不順さが大きいせいか亡くなる方も多く、しかも葬儀が混んでいて待たされるという・・・昨日、講師のご主人様と、お父様の訃報をいただきました。私も叔母を亡くし、1月半ばになんでこんなに多くの方がと寂しい気持ちでいっぱいです。
21日からは異例の長期寒波になるという予想。今も外の風の冷たさは半端ない。
こんな寒い時に、何をしたいのかわからない無駄遣いの選挙、600億かけて何をしたいのですか。国民のことは考えていないんだと、しみじみ思います。
どんどん上がる物価高、歯止めの効かない円安、急上昇する国債金利、インフレに比べて低迷する日本の成長率、進まない賃上げ、世界で立ち遅れている学術研究、地方で暮らせないレベルで衰亡する医療インフラ・・・など等、下々の誰もが心配し、困っていることは一緒な気がするけれど、そこはスルーなんですね。
急に食品に限り消費税ゼロとか言われても、選挙しなくても、野党も言っていたんだから、解散しない前に直ぐにすればいいわけで、1秒でも早くやってもらいたかった。だのに、政党でもなく高市早苗個人を支持して投票して欲しいらしい・・・意味不明です。
ま、食品消費税ゼロだって、きっと選挙終わったら、レジが・・・とか言ってゼッタイやらない気がする。
このお上は何度も何度も嘘をつき、狼少年を見ているようで、そんな狼少年に我が子の命を国のために差し出せと言われる日を想像するだけで背筋が凍る思いです。
身も心も寒いって、凍えそうって、こういうことを言うんでしょうね。
内館牧子さん
神奈川新聞の記者であった服部宏さんから、新聞が送られてきました。
服部さんは、内館牧子さんと横浜校で同期生でした。もうどのくらいのお付き合いになっていたのでしょう。多分40年はくだらない気がします。
彼が書かれた追悼文は、仲良しの同志を失い悲嘆にくれているだけではなく、内館さんの対する深いリスペクトを感じます。
「授業ではぺら(200字詰め原稿用紙)20枚のドラマを描いて、講師の批評を受ける。内館さんは週1度の授業を休まず、毎週、習作を提出していた。ある日珍しく欠席をした。『大相撲の九州場所を見に行ったのよ。朝から相撲漬けと嬉しそうだった。
内館さんといえば相撲。(略)長年の相撲愛が朝ドラ<ひらり>(92)である。さらに女性初の横綱審議委員、更には東北大学大学院で神事と相撲を研究した」
「内館ドラマの特徴は会話のリアルさだろう。例えば会社のロッカールームで交わされる女性社員たちの妬み、あてこすり、あるいは男性社員の陰ひなた。指摘すると三菱(13年勤めた)の経験が元になっていると明かした」
二人はよく野毛の武蔵屋という老舗の居酒屋に行ったそうです。売れっ子の脚本家になっても大好きな居酒屋で、
「脚本家として一番必要なものは何だい?ときいた。ややあって『打たれ強さかなぁ』と答えた。
その顔に、各方面から無理難題を押し付けられ、何度も何度も脚本を描き直した日々をこたえた歳月がにじんでいた」
服部さんは、内館さんの著書「切ないOLに捧ぐ」の中で「正直なところ、脚本家になれるとは思わなかった。ただなれるようにちゃんと努力だけはしてみようと思っていた」というフレーズが好きだとおっしゃり、「才の人」に見えて「努力の人」だったと内館さんを表しています。
「切ないOLに捧ぐ」が出版された時、OLがシナリオ・センターに押し寄せたとというのはオーバーですが、たくさんいらしたことは確かです。
シナリオ・センターでも、良く講義に来てくださり、ラブストーリー講座もしてくれ、添削もしてくださいました。
惜しい方を早く亡くしたと思うのは必然だと思うのですが、でも、内館さんご本人は、17年前の大病から奇跡の復活をし「やりたいことはり尽くした」とおしゃっていました。だから、言わないようにします。
内館さんがラブストーリーの名手として有名でしたが、そこには常に男女の関係だけでなく人間が描かれていました。だからヒットしたのでしょう。
そして、社会や歴史にも向きあって、未婚の母を描いた「私の青空」、幼い白虎隊少年たちを描いた「白虎隊」、「リトルボーイリトルガール」「夏服の少女たちへ」で広島の原爆、「小さな神たちの祭り」で東日本大震災を・・・と描かれました。
小説「終わった人」「すぐ死ぬなんだから」「老害の人」「迷惑な終活」など大ヒット作も、弱者でありながらしたたかな人間のすばらしさを描いていました。
内館さんの視点は厳しく、時には舌鋒鋭く、恐れずにご自分の思うことをきちんとおっしゃる人でした。
ジェームス三木さんもそうでしたが、きちんと作家性、ご自身を持っている方は中々いらっしゃいません。
やっぱり、こんな情けない世の中だからこそ、もっと生きてガツンと言って欲しかったな。
ああ、言っちゃいけないこと言いました。ごめんなさい、内館さん。自分でやります。どうかゆっくり休んでください。














