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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

やっぱりシナリオでしょ。古沢良太さん脚本『趣味の部屋』を観て思う。

シナリオ・センター代表の小林です。先週の火曜日から急性胃腸炎で毎日、朝なし、昼はスープ、夜はうどんかおかゆの食生活。大食いの上、いろいろ食べたい、目が欲しい派の私として、最悪の1週間でしたが、お腹はすかず、全く問題がないのです。
人は食べるために生きているわけではないけれど、パーセンテージでいうと人生の70%くらい食べることを考えている私としては、この自分の状況にびっくり。
で、本当はこのくらいでいいのだと悟ったのではありますが・・・思ったより体重は1、2キロしか減らないし、美味しいもの食べたいし・・・もうすぐ復活の兆し。()

  趣味の部屋

先週、痛い胃をだましながら、古沢良太さんの「趣味の部屋」を観に行ってきました。中井貴一さんプロデュース、主演で、戸次重幸さん、川平慈英さん、白井晃さん、紅一点原幹江さんの5人のお芝居です。
再演なのですが、初演の時はチケットが取れなかったので、今回は満を持してチケットをとりました。

古沢さんは、センター出身ではないのですが、私の好きな脚本家のお一人です。
何故、好きかというと、古沢さんの脚本は、「こう来たか!」とこちらの予想を越えるんですね。キャラクターがいい。その人ならではのセリフが泣ける・・・テレビでは、月9「デート」を今放映中ですけれど、最初ちょっと引いたのですが、回を重ねるごとに「こう来たか!」感が増してきて、さすが古沢さんって感じです。

この「こう来たか!」感、満載なのがこの「趣味の部屋」。
役者さんもうまい方ばかりだからこそ、できる芝居でもありました。
男たちが誰にも邪魔されずに、自分の趣味を楽しむために共同で借りた趣味の部屋。
料理する者、ジグソーパズルをやる者、古書を味わっている者、ガンダムのプラモダルを創っている者が自分の趣味に興じているその時、チャイムが鳴った。そこには巡査だという女性。2週間前から行方不明になっている男の聞き込みにきたという。その男もこの趣味の部屋の仲間だった。
彼女の訪問と共に、男たちは疑いと争いの修羅場になっていく・・・行方不明の男はどうなったのか、そして新たな疑問が次々と生まれて・・・たどり着く先は。

笑いありアクションあり、サスペンスあり、まあ、めまぐるしいほどの展開と
ガンダムネタを含めた笑いの渦、そして、ドンデンドンデンの繰り返し・・・最後に行きつくところは観客を巻き込んで・・・うまい。
韓国ドラマのように、最後の最後までみせてくれるうえに、韓国ドラマを越えるのは、そのまたドンデン返し、幕が下りても息もつけない面白さでした。 

岡田惠和さんの「スタンド・バイ・ユー」で熱演されていた戸次さんが、全く違う役で(当たり前だけど)すてきなお芝居をされていたのが印象的でした。だって、顔が違うんですよ。役者さんってすごいですよね。
この舞台では、中井さん、川平さん、白井さん、それぞれが表の顔と裏の顔を出すので、楽しいこと、楽しいこと。
とても残念なことがひとつ。私はガンダム通ではないので、ガンダムネタがイマイチわからず、後ろの席で大笑いしているお兄さんがうらやましかったです。 

「趣味の部屋」を観劇して、やはりシナリオだとしみじみ思いました。
魅力的なシナリオは、観客をどう欺くかです。
 

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