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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

新しい魅力あるキャラクターは足で目で耳で探せ!

シナリオ・センター代表の小林です。
今日は、前田編集長と事務局の中川のお誕生会をしました。
10・11・12月とお誕生日が目白押しなので、この二人の時は、パンで昼食会というのが通例になっています。

パンといっても、シェカザマさんのパン・ド・リオレといってパンの中にサンドイッチが入っているという楽しい創作パン。
今年は、前田が大好きな猫の肉球。中川がやなせたかしさんを偲んでアンパンマンのパンにしました。
みんな、食べ過ぎました。(笑) 

 シャカザマのパン

 

師走にとてもよく似合う本だと思いました。
心がホッコリするんです。年の瀬は、ホッコリが一番です。
気忙しい毎日には、美味しいご飯とお酒、ちょっと日常から離れる気持ちのよい本があれば、明日への意欲がわきます。

出身ライターの鷹井伶さんの時代小説「ご赦免同心 辻坂兵庫」(学研M文庫刊)

ご赦免同心 井上さん

主役の辻坂兵庫は、同心ですが、今までの時代小説、時代劇にもまず登場したことがないと思われるお勤めをしている同心です。
題名どおり、ご赦免同心。ご存知ですか?
こんな事務方がいたんですね、江戸の町に。
南北奉行所に属し、恩赦願い状を受けて事件を調べ直すお役目です。
拷問などで自白を強要され、無実の罪をきた人々のために、冤罪をなくすために作られたお役目で、遠山の金さんが力を入れていたそうです。
今も昔も自白を強要するのは同じみたいですが、今の警察には、こういう冤罪調べの部署って、存在するのでしょうか。
取調べの可視化って、冤罪をなくそうとして、でてきたことですよね。
江戸時代には、本当にあって、「赦帳方」というそうです。 

鷹井さん、すごくいい職業を見つけられましたね。
今までにない職業!というのが魅力。
その上、主人公は、穏やかな性格で剣の達人だけれど人は斬らないことが信条の持ち主。
婿養子先の同心の舅に頭が上がらず、恋女房に支えられて、冤罪を晴らしていく・・・魅力的なキャラクターなのです。
本当に今までまったく知られていないお役目の主人公に脇もいいです。
遠山の金さんでしょ。鳥居耀蔵でしょ、首斬り浅右衛門など、知っている人がいっぱい登場します。
 


このお話、小説の方はきっとシリーズ化になるかとは思いますが、私はゼッタイ!ドラマにしたいです。
平岩先生の「御宿かわせみ」みたいな連ドラになると思います。
ミステリー、サスペンスあり、刑事ものだし、ホームドラマ・・・。
しかも、捕り方が罪にしたことを引っくり返すわけですから、仲間である捕り方と敵対することもあるわけ・・・この葛藤もいいんですね。

ただ悪人を退治するだけの勧善懲悪ではなく、冤罪を晴らすというところに気持ちが温かくなりますし・・・。
ドラマで見てみたいものです。主役はできれば中井貴一さん。

公募コンクール対策講座などで、よく浅田講師が、「面白い職業を探せ!」といっていますが、まさに、素晴らしい職業を見つけました。
どうやって、探したのかって?
鷹井さんは、歌舞伎などの精通していらっしゃるし、国会図書館などや大学の先生などを訪ねて、様々な文献を調べられたようですよ。
こういうコツコツと自らの足で訪ねまわる努力が、面白いものを探して当てるんですね。
ネットで調べて、それでよしとしていたら、探し出せません。

来年の課題:自分の足で目で耳で、魅力あるキャラクターを探し出しましょう。

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