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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

変化

てきてき 縁~浪華のおなご医師と緒方洪庵~(潮出版)

災害

シナリオ・センター代表の小林です。東北と北海道の間でまたまた大きな地震がありました。それも夜中。さぞかし驚かれ不安になられたことだと思います。
テレビでは、各局繰り返し津波の恐れがあるので避難するように呼び掛けていて、その声を聴きながら津波情報を見ているだけでも不安が募りました。
今回、「北海道・三陸沖後発地震注意情報」というのを初めてききました。
気象庁や内閣府によると、今後1週間で大規模地震が発生する可能性は普段よりは高いとのこと。それでも、100回に1回程度だから専門家は冷静な対応を呼び掛けていました。
群馬妙義山の山火事は大丈夫なのでしょうか。鎮火できないだけでなく被害の全容もつかめてないようで、広がらないことを祈るばかりです。
災害って、いつ来るかもどうなるかもわからないので、ともかく冷静に動ける自分でありたいと思っているのですが・・・。難しいですね。

お上の経済対策を聴いていると、結局「格差対策」「貧困対策」はまったくする気がないように思えませんか。
失われた30年の間給料がほとんど上がらず、インフレで実質賃金下落がずっと続いています。
シングルマザーなどの貧困層は、真面目に働いているのに、今日食べるものに困るという悲惨な状況だと聞くとなにかできないかと思うのが人として普通の感覚だけど、このお上は思わないらしい。
株や不動産を持っている富裕層はさらに富み、庶民、貧困層はさらに貧しくなるという現象が続いています。「飢えに苦しむ」って一体阿どういう世の中なのでしょうか。
でも、残念ながら「飢えに苦しむ」人はどんどん多くなります。
何故なら、贈収賄政治の下では、政治献金などできない貧困層は無視、防衛費や大企業補助金を増やすことしか考えていないからです。
贈収賄政治根絶のためには、本格的な企業・団体献金規制が不可欠。その企業団体献金規制について「そんなこと」と言って、必死に逃げるお上のトップがいる限り、贈収賄政治は続き、格差は拡大し、貧困層はさらにさらに貧しくなります。
 挙句に、若者は戦争に駆り立てられるかもしれない。
「そんなこと」発言の持つ意味を、私たちはしっかり考え、企業・団体献金規制ができないようなお上を支持すべきではないと思うのです。

てきてき 縁~浪華のおなご医師と緒方洪庵~

出身作家鷹井伶さんの「てきてき」第2弾ができました。待ってました!!
「てきてき 縁~浪華のおなご医師と緒方洪庵~」(潮出版)
鷹井さんは、この本で鷹井伶名義で小説を書きだして12年になるのだそうです。しかも平均2冊を毎年出しているというのですから大変です。
過日、大阪・梅田の紀伊國屋書店で行われた弊社の新井一樹の「シナリオ・センター式 物語のみがき方」の出版記念トークイベントにも出てくださって「てきてき」等の小説の直し(みがき方)のお話しもしていただきました。
しっかりと香盤表を創って、登場人物に齟齬がないかを見てチェックされるそうで、またキャラクターの表と裏を意識して描いているという作家としての姿勢はさすがと、新井も大変勉強になったそうです。

今回のお話しは、医師を目指して緒方洪庵の適塾で学んでいる亜弥の3年後から描かれています。
亜弥は、男性ばかりの適塾では男装をして学んでいます。ですが、年頃になれば否応なく女性の身体は変化していき、晒をまいた胸も膨れてきます。心も体も変化し、その成長に戸惑う亜弥の姿が痛々しいほど伝わってきます。
今でも女性が男性と伍してやることは難しく、ガラスの天井とかガラスの壁とか言われるくらいですからまして、江戸時代「おなごが志を持つ」ということは、今以上に大変だったと思います。
おなごだからこその偏見だけでなく、あやうく手籠めにされかかったり、その年ごろなりの試練が溢れてきます。
時代の変わり目の中で、亜弥の友人たちもそれぞれ変わっていくのですが、そのなかで先輩のおなご医師に触発され、悩みながらも洪庵とともに天然痘撲滅のために奔走する亜弥の姿は、現代の女性に通じるものがあると思います。
鷹井さんは、女性が頑張る姿を描かれるのがとてもうまいです。
それはたぶん、女性としての根本のキャラクターは、今も昔も変わらないからではないでしょうか。ある意味、時代小説ですが、現代に置き換えても通用するお話しだからだと思います。
鷹井さんは、さりげなく亜弥や新たに加わった友人の妻となった加奈、先輩の女性医師小庵を通して、女性を描いていきます。
続きは、いつ出るのでしょうか。成長し続ける亜弥を楽しみにしてます。

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