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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

自分の生き方

研修科のセンター生さんからのプレゼント

真摯

シナリオ・センター代表の小林です。外苑の銀杏並木がどんどん色づいています。蓼科にいる友人から紅葉の写真、八ヶ岳は冠雪したそうです。
なんだか追われるように冬が来てしまいそうで、新しい年、目指して猛ダッシュですね。

国会中継を見ていると、とても空しくなります。机上の空論というよりは、全く無策のまま、ただ中身のない意味不明な言葉だけを繰り返しているだけのように見えます。
とくに「真摯に」という言葉を使われると、これはもう隠すのだなぁとか、嘘だなぁと思ってしまいます。答えに窮することは、答弁拒否だし。
森友も裏金も旧統一教会も、何一つ手をつけないでスルーしてしまうつもりなんでしょうね。
この驚くほどの物価高はどうするつもりなのでしょう。具体策は本当にあるのでしょうか。
お米券で物価が下がると本気で思っているなら、あまりにも下々の生活を知らなすぎる。子ども食堂を見学したくらいでわかった気になるな。
どうせできないのだから、弱者に寄り添えとか言う気はないけれど、それにしても世の中を知らなすぎる。そういう人たちがお上でいるのはどうかと思います。
憲法改正とかスパイ法とか国旗損壊罪とか下々を支配下に置き、人権をはく奪することばかり考えている人たち、とても怖いです。
私も、もうすぐこんなことすら書けなくなるのかもしれない。だからこそ、それぞれの想いを、考えを、しっかり声をあげないと。

ミソ帳

シナリオ・センターにとって今年最大のイベント「創立50と5周年記念パーティー」が終わって、ホッとする間もなく、来年のスケジュールづくりです。
例年より遅くなってしまっているのですが、黙っていても何もやらなくても、2026年はきてしまうので、急がなくてはいけません。
新体制で、あんなこともこんなことも・・・と新たな構想はあるのですけれど、一番は、どれだけセンター生の方々が、創作を楽しみながら、技術を身につけ、感性を高く広く磨いて、魅力ある作品を描いていただけるかということ。

シナリオ・センターは、徹底して映像表現の技術をお教えしています。それこそ、真摯に(笑)。
ですが、いつも申し上げている通り、感性の部分は教えられるものではないので、皆さんがご自分で磨くしかありません。
ですが、最近こんな質問が多いのに困惑しています。
「どうやったら面白い物語を思いつけるのか」
「こういう話を書きたい、だったらこの技術を使ったらもっと面白く見せられる」という技術をシナリオ・センターはお教えしていますが、「こういう話」は作者独自の領分です。
そこは作者が必死に創り上げるしかないのです。私に訊かれても困っちゃうんです。
ともかくは、自分のミソ帳をつくることでしょうか。
皆さんにお伝えしている「ミソ帳」は、自分が気になったこと、面白かったこと、「?」と思ったことなどなんでもかんでも書き留めておくもの。
今は使えなくても、いつかそれが発酵するかもしれない、大化けするかもしれません。
アンテナを張り巡らして、ミソ帳をいっぱいにするのは大事です。

発想の一つとして、自分が一番よく知っていることを描くというのもあります。
職業って、自分は当たり前だと思っていることが案外他の人は知らなくて面白かったりするものです。
家族、親戚、友人、身近な人が案外面白いかもしれない(ネタにして絶交されたら困るけど)。
自分が好きなこと、楽しめることなどもネタになりますよね。嫌いなこともあるかも。
疑問から入ることもあります。知らないから知りたいとか。
私は仏像はもともと好きだったのですが、十一面観音を好きになったのは、色々な顔を持つ意味がわからなかったからです。
死んでいる人をすぐに見つけるために頭に11面の顔がある、あらゆる方向を見守る慈悲の象徴、それぞれの顔は人々をなだめたり怒ったり、励ましてくれたりする、十種勝利(現世利益)と四種果報(死後成仏)という様々なご利益があるそうです。
死んでいる人を見つけるのなら同じ顔でもいいんじゃない?あらゆる方向を見守るのに色々な顔が必要?十一面観音を初めて作った仏師はどうして十一面が必要だと思ったの?とか本当につまらない、学者さんからしたらバカみたいと思われることも、自分が知らないんだから、知りたい。
色々な十一面観音のお姿を拝みたいと思っちゃうんです。

今はAIでなんでも教えてもらえるのでしょうけれど、やはり自分の感性を磨くには、面白い物語を発想するには、自分の感覚でとらえることではないかと私は思っています。
それには、自分の目で耳で足で探して欲しいです。

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