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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

秋の日は

義経千本桜

さむ~

シナリオ・センター代表の小林です。急に寒いわ、パーティー直前でバタバタしているわで、なけなしの脳みそが沸騰しています。
まだ、衣更えもしていないので、着るものもちぐはぐで、どうしていいか、わかりません。

でも、もっとごった返しているのは、日本初の女性総理大臣を頂点とする新内閣でしょうね。
閣僚の面々を拝見しただけで、え~と思ってしまうのは私だけでしょうか。
野党もまとまらないまま、結局新しい時代にならず、過去へ引き戻るような社会になってしまうようで、とても怖いです。ため息しかでません。
女性が進出するのは嬉しいことですが、男性社会で頑張ってきた女性の方は、どうも思考が男性寄りに、しかも結構旧態全の思考になっている傾向がある気がします。
私は、人としてあるべき姿をちゃんと見つめられる人、ちゃんと一人一人個人として見ることができる人に上に立って欲しいと思うのです。
それができない人が上に立ったら弱者は踏みつぶされてしまうだけですから。
新しい内閣が、他人のやさしい内閣でありますように。笑顔がつくり笑いでありませんように、ただただ願うばかりです。

通し狂言

昨日は、私の推しを観に行ってきました。
私の推しは、この11月3日文化勲章をいただきます。おわかりですね。
そうです。片岡仁左衛門丈。
観劇したのは、10月の歌舞伎座は、「通し狂言義経千本桜」。
今年はやけに通し狂言が多いなと思ったら、松竹創業130年を記念し三大名作を通し狂言で上演したのだそうです。
3月に「仮名手本忠臣蔵」、9月に「菅原伝授手習鑑」、10月「義経千本桜」。
どれも観ましたが、「義経千本桜」では、仁左衛門丈は彼の当たり役「いがみの権太」を演じるので、もう絶対見なくっちゃと、必死でチケット取りました。
その前の9月の「菅原伝授手習鑑」で菅原道真を演じている途中で具合が悪くなり、倒れられたのでとても心配しましたが、元気なお姿を見てホッ。
文化勲章保持者になるので、力が湧いていたのではないかと思います。もうサイコ―でした。

歌舞伎は通し狂言と言われるように、いつも、物語の全部をやるわけではありません。
今回、私の見たのは3場です。「木の実の場」「小金吾討死の場」「すし屋の場」
「場」ですから、映像で言えばシーンですね。
ほとんどの場合は通し狂言ではなく、例えば「義経千本桜 すし屋の場」だけやったりします。
それでも、観客が観に行き、楽しまれるのはどうしてでしょう。

歌舞伎をみていると、20枚シナリオをどう書けばいいのかがよくわかります。
シーンを描くってどういうことかということが。
本当は仁左衛門丈のいがみの権太の見せ場すし屋の場の話しをしたいのですが、逆転もあり長いので、「小金吾討死」の場で説明しますと、平維盛の妻と息子を守る家臣の小金吾、頼朝の追っ手に見つかり大勢いの取り手と戦って、維盛の妻と息子を逃し、討たれてしまう場面が「小金吾討死の場」です。
ここは、簡単に言えば小金吾の立ち回りが見せ場。見せ場です。
物語があって、その中の一部。そこだけで見せられるところです。
ね、「これこれこういうお話しです。」ではなく、小金吾のキャラクターと忠義の姿とかっこいい殺陣、立ち回りで観客を魅了します。

たぶん映画「国宝」をご覧になった方は、おわかりになるかと思いますが、一度、歌舞伎をご覧になってください。
文楽もそうですが、「見せ場」で構築するというのはどういうことか、とてもよくわかります。
この見せ場が繋がって、一つの物語になります。
登場人物のキャラクター、見せ場、作ってみてください。

 

 

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