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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

ひとり一人の考え

月刊シナリオ教室10月号

火垂るの墓

シナリオ・センター代表の小林です。今日の表参道は真夏日なのだそうです。やっと涼しくなったと思ったら・・・。なんだか喉がイガイガして痛い気がするのは、気候の変化のせいでしょうか。食欲で乗り越えなくっちゃ。

朝日新聞に「火垂るの墓」が、映画公開時と違った感想が多く見られるようになったという記事が出ていました。「妹は、クズな兄貴のせいで死んだ」という歌詞のラップ曲がティックトックに投稿されて5万の「いいね」がついたという記事です。
同じ映画を見ても、時代によってとらえ方が違うという事象に、こんな早く出会うとは思いもしませんでした。
ちょっと人心が荒れているような気がしてなりません。
このお話しは、野坂昭如さんの原作で、野坂さんの体験から生まれたフィクションです。戦争中の飢え、飢えがどんなに人間を変えていくかという野坂さんの体験からうまれたと小説出版当時、お聞きしたことがあります。
今、若い人たちがこの映画を見て「親戚から勝手に出て行った清太の自己責任」とか「世話になっている親戚の家で手伝わない清太が冷遇されるのは当たり前」などの感想を持っているそうです。
映画ができた当時、ただただ涙した私は、なるほどこういう意見が出るのかと思いました。
色々な意見がある中で、私は、何が正しいのかは分かりませんが、根本は戦争体験、野坂さんが言う「食欲の前には、すべて愛も、やさしさも色を失った」ということを私たちがどれだけ感じられるかではないかと思うのです。
お米がないと言われながらも飽食でもある今の私たちの状況で、「究極の飢えの中で過ごした時代」を想像できるのでしょうか。想像できる人間でありたいと願っていますが。
アンパンマンみたいにね。

シナリオ・センター賞

月刊シナリオ教室10月号に20枚シナリオ新井一賞のノミネート作品10作品が掲載されました。
また、作者が自作をシナリオ・センターのYouTubeで朗読しています。
ゼミナールの気分を味わいたい方は、YouTubeをご覧なってください。
なんで、こんなに大々的に発表しているかというと「新井一賞」の授賞式は、10月24日創立55周年記念パーティーの席上でおこなわれますが、実はノミネート作品の中からシナリオ・センター賞は皆さんに選んでいただくのです。
シナリオを志す仲間が選んだ作品は何になるのか、興味がありますよね。
課題の「バトン」をどのようにとらえて描かれたのか、ご自分の発想と比べてみるのも勉強になります。

応募総数844編。本当にたくさんの方が応募してくださいました。
締め切り日前は300編くらいしか集まっていなくて、「え~!!少ない、どうする?」と騒いでいたのですが、1日前から締め切り当日に溢れるように集まって来て・・・。
今度はあまりの多さに審査どうしようかの心配に変わったりして。人間の想いなんて勝手なものです。(笑)
そんな中から選ばれた10編です。
多くの皆さんに投票していただきたいです。投票締め切りは10月22日。
新井一賞は、柏原寛司さん、清水有生さん、岡田惠和さんに選んでいただくわけですが、各審査員賞も選んでいただきます。
それぞれの審査員がどの作品を選ばれたか、楽しみでもありますが、シナリオ・センター賞はセンターの仲間が選ぶのですから、これもまた楽しみ。
ノミネート作は、
「おかえり」元上聡子さん
「翆玉のことば」水上広美さん
「オトン爺井ぃ」三谷智子さん
「この手に集まれ」宮森ひとみさん
「回送」あな沢拓美さん
「味の記憶」兼田美穂さん
「ビハインド」小林亮太さん
「橋渡し」夏目ちとせさん
「半分、勝手に」川勝あゆみさん

さて、あなたが審査員だったら、どん作品を選びますか。20枚シナリオとはないかを踏まえて厳しい審査をお願いします。
当日のパーティーがまたまた面白くなりそうです。こちらのご参加もよろしく!

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