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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

シナリオ

ドラマとは変化である

お上

シナリオ・センター代表の小林です。今日の表参道は、案外涼しくて、このまま秋に行ってほしいと願っていますが、それはないみたい・・・。

政治屋さんたちが総裁選で大騒ぎをしていますが、両陛下と愛子さまは長崎へ戦後80年の慰霊としてお出かけです。
4月から戦争末期の激戦地だった硫黄島、6月には愛子さまと一緒に沖縄県、広島県と順次ご訪問されています。
両陛下がそろって長崎県を訪問されたのは即位後初めてだそうで、愛子さまの訪問も初めてです。
世界中が戦争回帰へ進んでいるだけに、日本はまた同じ轍を踏んで欲しくないという強いお気持ちの表れではないかと思うのです。

石破首相が戦後80年の節目に8月15に日に自民党のお歴々につぶされた首相見解を出すという話もあります。
広島・長崎でも安倍さんが排除した反省をいれて、コピペではない自分の言葉で述べていましたし、常に「右に席捲されるのが嫌だ。この国は左に行って潰れたことはないが、右に行って潰れた歴史はある」と繰り返し言っているところを見ると、この総裁選に強い懸念を抱いているのかと思います。
誰が総裁になっても下々は期待一つしていないですが、やはり右の人は怖いと思います。
自分達のことばかりで、今困っている、食事も満足に取れない下々に全く目を向けない人ばかりの総裁選候補に、朝ドラ「あんぱん」を見て欲しいです。

やなせたかしさんは、「決して引っくり返らない正義ってなんだろう。 お腹をすかせて困っている人がいたら、一切れのパンを届けてあげることだ。」とおっしゃっています。
子ども食堂が全国で1万カ所所以上、小学校より多くなっていることに「大変だ、すぐに何とかしよう!」と素早く動いてくれるお上が欲しいです。

伝える

昨日も書きましたが、創立55周年の今年は、改めて新井一と接することが多くなっています。
繰り返し言っていますが、新井一が、シナリオ・センターを創設した意味は、シナリオを通して、自分で考え、想い、伝える技術を持つことで、二度と戦争を起こさないようにと思ってのことです。
やなせたかしさんもずーっと伝え続けていらっしゃいます。
朝ドラ「あんぱん」を見ても、脚本の中園さんが「やなせたかしを描くには戦争を描くことは外せない」とおしゃっているほど、戦争体験はやなせさんの心の、創作の大本なのですね。
アニメの「それいけ!アンパンマン」(NTV)は、シナリオ・センター出身の神沢ミホさん、亀沢しまさん、藤吉智子さんが描かれていますが、きっとやなせさんのメッセージを受け、新井の伝える技術を継承してくれていると思っています。

先日から始まったNHKの夜ドラ、高校時代の夢を繋ぐ30代の4人の女性たちのお話「いつか無重力の宙で」は、出身ライターの武田雄樹さんが描かれていますが、小誌のインタビューで、
「脚本を書くことで、自分の認識できる感情の解像度がグッと高まったように思います。
今、目の前にいる人が何を考えているのか、どんな気持ちなのか、自分はどう思っているのか、何を伝えたいのか。見える感情の粒度が高くなり、そのぶん思いやりを持って人と接することができるようになりました。
また、脚本を書いていると、これまでは出会うことがなかった色んな人と巡り会えます。
全く違うバックグラウンドを持っていても、脚本が好きという気持ちで繋がった仲間と出会える経験は、特に大人になった今、とても貴重で尊いものだと感じています。」と。

シナリオを描くということの意味を、55年目の今年、そして戦後80年の今年改めて考えさせられています。

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