顔の向け方
シナリオ・センター代表の小林です。表参道は、朝から降ったりやんだりの雨ですが、ありがたいことに大雨にはなっていません。
各地での被害に心が痛いですが、一昨日ですか、能登半島の復旧復興に505億円、大雨被害に24億円を予備費から出す閣議決定をしたとのニュースをみて、内輪もめの中で、一応お上がやることは少しやっているのだと知って「うそ~!!」。ま、いいことですから喜ばしいのですが、やっぱりびっくり。今まで下々に顔を向けていた人がいなかったからねぇ~(笑)
とはいえ、ひどい災害が起こらないことをただただ祈ります。
韓国の旧統一教会の韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁が、韓国の特別検察から出頭要請を受けたとかですが、日本では解散命令も出ているのに、日本の旧統一教会は全く動きません。
旧統一教会のせいで安倍さんを暗殺した山上被告の裁判なのに、旧統一教会関係者を検察側は拒否するとか、自民党議員のうちなんと179人が関係を持っているのに誰も問わないとか・・・日本の検察って変ですよね。
韓国の検察が頑張ったら、日本の検察も頑張ってくれるのでしょうか。
日本で集めた寄付は、韓国にみんな持っていき、エバ国家である日本は、アダム国家である韓国に尽くし続けなければいけないという教えなのですよ。
裏金議員の大半は旧安倍派であり、旧統一教会とはズブズブ。こういう旧統一教会の教えをわかって関係を持っているとしたら、日本のことなどなにも考えていない人たちってことでしょう。
そんな人たちが次のお上になったら・・・とても怖いです。
野田秀樹
野田秀樹さんが、朝日新聞(9/3掲載)の戦後80年インタビューで、戦争の記憶とAI時代になってやるべきことを語っています。
私も同じようなことを考えていたので、そうだそうだと思い、創作を志す皆さんにもお伝えしたくて。
私自身、野田さんとか亡くなったつかこうへいさんの芝居が好きで、若い頃から良く見に行きました。
野田さんのお芝居は、ちょっと難しくわかるようなわからないような、たぶんこういうこと言いたかったのよね?と見終わった後も考えて考えて、自分で結論を出していました。今はずいぶんとわかりやすくなっていますが。
野田さんは「人が何かを受け止める順番は、『感じる・考える・信じる』のはずなのに、最近は『考える』が抜け落ちて、『感じる・信じる』が直結しているのではないか」と10年ほど前からおっしゃっていたそうです。
そして、「今はますます『感じる・信じる』になっている気がする、SNSでみたことがすぐに信念になるみたいなことも起きています」
確かにひどく短絡的になっている気がして、私も自分の目で耳で足で調べましょうと毎回申し上げています。
AIにすぐ答えをもらってしまうことができる時代、SNSをうのみにするのも致し方ないのかもしれません。でも、
「AIが作る文章は過去のデジタル情報の組み合わせ。それで未来が語れるだろうか。
人間がやっていることも同じかもしれないが、我々アナログな人間は曲線的、曲面的にものを考えるから創作では負けない気がする。
怖いのは、AIが出してきたものをクオリティーを吟味せず、人がうのみにしてしまうことです。
その無防備さによって、まだ目に見えない恐ろしいことが起きているような気がします。
新しい技術の良いところだけ活用できれば苦労はないがそうはいかないことを歴史が語っている。」
「私がやっているのは、人間が生きていることの複雑さを描くことだけだと思うんです。
答えは出ないが、そこにドラマがある。それを考えようという演劇。
新しい技術が、短い時間で、短い文章で答えを出してくるものとはまるで違うけれど。そこは曲げられない。」
これは野田秀樹さんのことばですが、改めて自分自身にも問いかけていかねばと思います。
野田さんの舞台のモチーフが出ていました。
「パンドラの鐘」(古代史の発掘・原爆)「カノン」(芥川龍之介『偸盗』、連合赤軍事件)「THE BEE」(原作筒井康隆「毟りあい」報復の連鎖)「エッグ」(架空のスポーツ、細菌兵器研究)「Q」(ロミオとジュリエット、シベリア抑留)「兎、波を走る」(不思議の国のアリス、AI、拉致問題)「正三角関係」(カラマーゾフの兄弟、裁判、原爆)
近作の「正三角関係」の主人公は花火師で、戦争中なので花火が上げられない。火薬は武器に使われているからなのですね。
この夏、花火を見るたびに、火薬が花火に使われている日本に生きていることがありがたく思えます。
ウクライナやガザでは花火は上がらない。