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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

生きる

ひまわりは恋の形(小学館文庫)

原爆

シナリオ・センター代表の小林です。やっと雨が降るかと思えば、経験したことのない大雨となり、暑さも雨も極端すぎて、一体地球はどうなっていくのか見当もつきませんね。

昨日は、仲良かった従姉が急に亡くなり、表参道シナリオ日記も投げ出したまま、失礼してしまいました。
この気候は、元気でいる人間でも生気を吸い取られるような暑さですから、病人には大変だったのだと思います。親しい人が一人また一人と消えていく…私自身がそういう歳になったのだとしみじみ感じる夏です。

明日9日は、長崎で平和祈念式典があります。大雨にならなければよいと願っています。
長崎では、水を求めて亡くなった犠牲者に水をささげる「献水」の儀式があるそうです。どんな想いでどんなに苦しんで水を求めたのか…想像するだけで辛いです。

アメリカでは、戦争を終わらせるために原爆投下が必要だったといいます。
色々な考え方があるかと思います。
ですが、被爆者、被爆者家族の方々が80年経った今もなお苦しんでいらっしゃる事実を思えば、長きに渡って被爆者を苦しめるような「原爆」を落とさなければならなかったという正当性はあるのかと私は思っています。
簡単に核で脅かす国がでてきたり、日本も核保有をすべきだと驚きべきことを平気でいう日本の政治家もでてくる今、「決して使ってはいけないものだ」ということを唯一の被爆国として広く訴えて、核兵器を非人道的兵器として非合法化する核兵器禁止条約に日本は速やかに参加し、批准国になるべきだと強く強く思います。
核保有すべきだという政治家は、広島・長崎へ行ってどんなに悲惨で非人道的なものだということをきちんと勉強して欲しいです。もちろん福島にもね。

ひまわりは恋の形

ラブストーリーでは右に出るものがないベストセラー作家宇山佳佑さんの「ひまわりは恋の形」(小学館文庫)が文庫化されました。
2022年に描かれたこの本は、もっとも泣ける恋愛小説して大ヒットしました。
宇山さんから文庫本を送ってくださった中にお手紙が入っており、この夏で小説家として10年目を迎えたそうです。
小説家としても脚本家としても活躍され、充実した10年を送られた宇山さんの、次の10年がとっても楽しみです。

恋愛小説、恋愛ドラマで一番大事なのは「カセ」です。
「ひまわりは恋の形」は、1週間しか起きていられない、しかも夜だけしか行動できない主人公雫とそのわずかな時間で恋に落ち、恋に生きる二人を読者の胸をえぐるほどの強さで見事さで描いています。
次から次へ襲う試練に、すぐに枯れてしまう花の短い命と、花ことばを使う巧みな伏線と演出に、二度目読みで、後期高齢者になった今ですら胸キュンをさせられます。
「究極の時間のカセ、病気のカセをこれほどまでにうまく使う作品は見たことがありません。宇山ワールドに浸ってください。タオルハンカチ2枚の用意が必要です。」
3年前の単行本ご紹介の時に書きましたが、また同じことを言いたい。
様々な「カセ」に縛られてもどかしいくらいに動きが取れない。読者をイライラさせる、まさに恋愛小説の極みです。
この夏、ドップリつかって、暑さを忘れてください。

8月10日(日)から18日(月)まで、シナリオ・センターは、夏休みです。
しばらくお目にかかりませんが、どうぞ皆様、くれぐれもくれぐれもお気をつけてお過ごしください。
お水をいっぱい飲んでくださいね~!

 

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