冤罪
シナリオ・センタ―代表の小林です。暑さはうなぎのぼりで、外出する気になりません。出社して帰宅するその繰り返しでさえつらい。
朝、玄関のドアを開けたとたんお日様とにらめっこして負けて、帰り会社のドアを開けたとたんむぅーとした熱気に思わず後戻りしそうになり・・・そんな毎日。
でも、通学の皆さん、頑張っておいで下さっています。これこそがシナリオの魅力と思いながらも、頭が下がります。
で、毎週出席・毎回提出された方だけに贈る隠れ課題も、ずいぶん提出されていて、本当に皆さんの意欲に引っ張られて生きています。ありがとうございます。
来週頭には第1回目の講評をお返し致します。今しばらくお待ちください。
昨年、袴田巖さんが再審で無罪判決を受けた後、畝本直美 検事総長が「到底承服できない」などと記した談話を発表したことを受け、袴田さんの弁護団は7月23日、国を提訴する方針を固めたそうです。
裏金議員は不起訴にしているくせに、54年も冤罪で苦しんだ袴田さんに謝罪一つしない、どういう神経なのでしょう。
検察の威信のために無実の人が苦しむのは平気なのか…人間としてどうかと思います。間違えたら素直に謝る、子どもの頃教わりませんでしたか。
検察も警察も、無実の人をどう犯人に仕立て上げるかに血道を上げて、真犯人を取り逃がしたいうことですよね。
それこそ失敗も失敗、間違っていると思いませんか。
真犯人がのうのうと生きていられるのは、警察、検察が犯人を仕立て上げてくれたおかげ?腑に落ちません。
講評
創立55周年記念ということで、久々に、隠れ課題の講評をさせていただくことになりました。
本科から作家集団まで色々なクラスの方の20枚シナリオを読ませていただいています。
20枚シナリオを読むのはワクワクします。とても面白く楽しく拝読しています。「こうきたか!」という課題の落とし込み方に、思わずにんまりします。
お世辞ではなく、皆さんなかなかの手練れ。
ただ、今回は講評だけなので添削はしませんが、ちょっと引っかかることがあります。
20枚シナリオはストーリーを描くものではありません。ドラマを描くものです。ですが、どうしてもストーリーに引っ張られて、ショートストーリーで終わってしまっているものがあるのです。
20枚でちゃんちゃんではないのです。そこをお間違えの方もいらっしゃいます。そこを間違えると長いものが描けなくなります。ちょっと心配です。
ではどうすればいいか、「ドラマは人間を描くもの」です。
筋を創ってそれに人物が乗っていくのではなく、人物が動き出して筋ができるのです。だから数えきれないほどのドラマができる。無限に描くことができるのは、生きた人間に対する追求だからです。
人物が動くというのはキャラクターをしっかりと創るということですね。
向田邦子賞を受賞した兵頭るりさんも、「ブラック・ショーマン」の橋本愛さんも、「幸せな結婚」の大石静さんも、キャラクターづくりを丹念にされています。
もうひとつ、シナリオ形式を上級クラスの方の方がお忘れになっている気がします。
形式などと軽く思わないでください。基本の力はそこから付いていくのです。
最近、柱に(日替わり)がよく使われます。プロならいいのです。スタッフにすぐわかるようにという意味で使っています。
新井一は「弁当じゃあるまいし」と言っていましたが。(笑)
ですが、どう日が変ったかをみせるのもシナリオの技術です。
橋本愛さんは、その変化をきちんと書いてプロデューサーに褒められたそうです。
ドラマは、日が変るひとつにも意味があります。そのシナリオの書き方ひとつで照明さんがドラマを盛り上げてくれるのですから。
プロになる前に、そういう腕をきちんとつけておくと脚本家として長生きできます。
隠れ課題お待ちしています。
暑い毎日です。お家でも図書館でも涼しいところで、シナリオを描かれることに専念されてはいかがでしょう。
想像の世界で遊ぶのもまた楽しいものです。