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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

活かす

魅せられて、ヴェネツィア~迷宮都市に魅せられた人々と、音楽のあゆみ~(言視舎)

お米

シナリオ・センター代表の小林です。新たな横綱が誕生しました。大の里関は、13場所という最速で横綱になったとか。
幕内に上がった時も髷が結べないほど早くてすごいなと思っていましたが、髷を結えるようになったと思ったら、あれよあれよという間に横綱に。相撲界もやっと2横綱揃って嬉しいでしょうね。どんな取り組みを見せてくれるのか楽しみです。
そういえば、大の里関は故郷・石川に地震災害の時に米1トンを送ったとか。

こういうお米の話しはすてきですが・・・さてさて、令和のコメ騒動はまだまだ続きそうですね。
いつも思うのですが、この国のお上は、小手先ばかりでちゃんと先を見据えているのか、本当に心配です。
「備蓄米を全部放出しても構わない」と、小泉農水相は簡単に言っていますが、放出した後すぐに大災害でもきたらどうするのでしょうか。
秋には新米がと言いますが、新米の価格はどうするのでしょう。
農家への支払いはどうなるのでしょう。JA(農協)との問題はどうなるのでしょうか。
一番心配なのは、農家の方々がお上のろくでもない采配のために米作りが嫌になっちゃうことです。
今だって、友人の農家の息子が言うには、「じいちゃん・ばあちゃんがボランティアで、米づくりが好きだから続けているかんじ。ヘタすると赤字になっている。若い人などはほんのわずかで年寄に頼っているのが現状」とのこと。
若い人は米作りではほぼ食べて行けないから、挑戦しようとした人もやめてしまうのだそうです。
小泉さんは「お米は田んぼで作っている」ことはわかったようですが、次は「米はじいちゃん・ばあちゃんが主に作っている」ということも認識してください。
減反政策をやめて、農家は米を作れば作るほど潤い、消費者は安くて美味しいコメをいつでも食べられる仕組みをすぐに作ってください。できるかな?

 

魅せられて、ヴェネツィア~迷宮都市に魅せられた人々と、音楽のあゆみ~

昨日、岡田惠和さんの「続・続最後から二勉目の恋」でミソ帳のことを描いてくれたことを書きました。
創作をする者は色々なことを知っていることが武器になります。ああ、武器という言葉は嫌いですが、言い換えの言葉が見つからないです。ごめんなさい。
シナリオ・センターでは映像表現の技術というなによりも使い勝手もよく、永久に使える武器をお渡ししています。
でも、これは「どう描くか」のためのもの。
「何を描くか」は、また別。これこそ作者が考えることですからね。
そこで出てくるのがミソ帳。そう、ミソ帳にため込んでは、発酵させていったものが創作の武器になるのです。

「魅せられて、ヴェネツィア~迷宮都市に魅せられた人々と、音楽のあゆみ~」(言視舎)
作家集団の新井巌講師が上梓しました。

新井講師がヴェネツィアに魅せられたのは、1996年に放火で焼失したヴェネツィアのオペラハウス「フェニーチェ劇場」の再建資金の募金活動を始めたのがきっかけです。
その後「フェニーチェ劇場友の会」の会長として、毎年オペラ仲間たちとフェニーチェ劇場でオペラを堪能し、ヴェネツィアを楽しまれています。
実は、私も何年か前にオペラツアーに連れて行ってもらったのですが、オペラのオの字も知らない私が、オペラでも眠くならず(笑)、ミラノ・スカラ劇場、ヴェネツィア・フェニーチェ劇場が醸し出すヨーロッパの伝統と文化に思いっきり魅せられてしまいました。
ヴェネツィアというとゴンドラくらいの知識しかなかった私ですが、歴史ある場所には心を揺さぶるものが沢山あることを教わりました。

新井講師が書かれた「魅せられて、ヴェネツィア」は、ヴェネツィアの観光案内でも研究書でもありません。
ヴェネツィアから生まれた文化、それを支えてきた作家や音楽家など等の話しを3部に分けて書いています。
第一部「ヴェネツィアに魅せられた人々」では、ルソーをはじめゲーテやニーチェなど等。
第二部「ヴェネツィアと日本」では、古くは「天正遣欧使節団」や文人たち与謝野鉄幹から皆さんもよく知る塩野七生、須賀敦子などのヴェネツィアとの関りを。
そして、第三部「私の『ヴェネツィア音楽史』覚え書き」では、多くの音楽家のことを描かれています。

たぶんほとんどの方が、あまりご存じではないかと思います。
だからこそ、読んでいただきたいと思います。
フト心に惹かれるものが、ちっちゃな引っ掛かりが、必ずみつかるはずです。ヨーロッパの深い文化は、人間の生き様を感じさせ、創作者の心に迫らないはずはないからです。

昔、愚息が大学受験をした時に、面接で「何も知らないから(本当に漫画ひとつ読んだことがなかった)学びに来た」と言ったら、面接官の先生に「知らないことは悪ではないが善ではない」と言われたそうです。
本の1冊も読まず何も知らなかった若者は、大学に入れていただいたことで急速に哲学まで走り、じいちゃんの後を追いました。
そして、「シナリオ・センター式 物語のつくり方」を描きました。
知らないことを知ろうとする、知りたいと思うところから、創作の道は開けていくはずです。
どれだけミソ帳を貯められるか、それが創作者としての道を広げていくのだと信じています。
この本も、創作の一つのきっかけになったら嬉しいです。

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