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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

生きる

てきてき~浪華のおなご医師と緒方洪庵~(潮文庫)

見方

シナリオ・センター代表の小林です。すごい快挙です!
出身ライターの柚木麻子さんの小説「BUTTER」の英語版が、英国の「ブリティッシュ・ブック・アワード」のデビュー・フィクション部門で受賞されました。おめでとうございます。面白い小説は、世界でも愛されるのですね。

今、不倫報道で出演しているドラマにクレームが出たり、CMを下ろされたりしている俳優さんをみていると、なんだかなぁと思ってしまいます。
不倫を許しているわけではありません。
ただ俳優さんたちをここまで追い詰めるなら、国を司る政治家の不倫はもっと弾劾されてしかるべきではないかと。平然としたり顔で政策を述べている姿を見るたびに、報道は、不倫まみれの国民民主党の党主はじめ面々をどうして俳優ほど叩かないのだろうと不思議に思うのです。
不倫そのものがどうかというより、その人間性が国と関わることに釈然としないのです。
国を司る人は清廉潔白でなければいけないとは言いませんが、少なくとも国民の前では嘘つきであってはいけないと思うのです。嘘は泥棒のはじまりって子どもの頃によく言われませんでしたか?
こうした嘘から、大きな嘘がどんどん生まれていく、裏金も汚職も偽装も文書廃棄もゼーンブ繋がっていくのだと思うのですが。違うでしょうか。

てきてき

出身作家の鷹井伶さんの新作が出ました。
「てきてき~浪華のおなご医師と緒方洪庵~」(潮文庫刊)
鷹井さんが初めて手がけた幕末ものです。

タイトルの「てきてき」は緒方洪庵の号適々斎からとったもので、お話しは緒方洪庵のもとで医師になった女性が主人公のお話しです。
鷹井さんは、時代小説でありながら女性を主人公にして活躍させるのがとてもうまいです。
「おとめ長屋 女やもめに花が咲く」「お江戸やすらぎ飯」「家康様の薬師」などなど女性が時代に抗いながらイキイキと生きていく姿を描いていらっしゃいます。
特に、鷹井さんはご自身が漢方養生指導士、薬物学マスターの資格をお持ちで、私も時々お世話になっておりますが、小説の中でもとてもうまく活かしています。
「てきてき」は、江戸時代にも大阪に女医がいたという論文を見つけて生まれたものだそうです。
女医は、明治時代に荻野吟子が女医一号と言われていますが、実はその前は歴史から消されているのですね。女性への差別を感じてしまいます。
そこはともかく薬問屋の娘亜弥が思わぬことから、緒方洪庵の適塾に入り女医となるお話しです。
しかも順風満帆ではなく、見立て違いをしたり、疱瘡になったことを気が付かず赤ん坊に伝染して死なせてしまったり、婚約を破棄されたりと、医者を目指す亜弥には色々な困難が降りかかるのですが、迷い悩みながらそれを乗り超えていきます。
そして、ラストは亜弥が医師を目指そうとするところで終わっています。
これって当然シリーズ化を考えてのことですよね。
緒方洪庵をはじめ亜弥を取り巻く同級生(男性)や、婚約者の母親定など様々なキャラクターが魅力的にきっちりと描かれており、これからもこうしたキャラの中で成長していく亜弥の姿が描かれて行くのだと信じています。
5/2に販売されて、すぐに重版がかかったと聞きます。すごい!ゼッタイ、シリーズ化ですよね。
次作を心からお待ちしています。

お知らせです。
時間がありません!お急ぎください。監督志望の方、チャンスを逃さないで!
「ndjc2025若手映画作家育成プロジェクト 監督募集」
21日までに、シナリオ・センター事務局に意思表示をしてください。お待ちしています。

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