祈り
シナリオ・センター代表の小林です。映画「教皇選挙」通り(?)のようなコンクラーベから新ローマ教皇が誕生しました。
21世紀のカソリックのトップ選挙の様子を信者などに知らせるために黒煙と白煙を使うという前時代的なやり方が、映画ではなく本当に行われている様子にちょっと驚かされました。
何度かの投票の結果、新ローマ教皇に選出されたのはロバート・フランシス・プレボスト枢機卿。「レオ14世」を名乗るそうです。
新教皇は、貧しい人や移民に寄り添ってきた前教皇フランシスコの路線を継承されるとみられていて、「キリストはわれわれに他人への愛を等級付けするよう求めてはいない」とトランプ政権を批判する発言もされていらしゃるようです。
初めて知ったのですがカソリック教徒は13億人とか、日本の人口よりはるかに多い。ま、世界中ですものね。
私は、まったくの無宗教の人ですが、仏像大好きということもありますが、お寺や神社はもちろん教会へ入ればちゃんとお祈りします。
宗教とは関係なく、寺社仏閣、教会は、大きさに限らずなんだか心が改まる気がするから不思議です。
寺社仏閣でもないのに、思わず手を合わせた場所があります。「ひめゆりの塔」です。平和の礎沖縄戦没者慰霊碑です。
今更ながら西田議員が発言を撤回し謝罪したとのことですが、形だけですよね。本当は3日の発言の通りでの気持ちでいるけれど、批判がすごいから、選挙も近いし、かわさないとまずいということでしょう。
大事なのは、他人を想う心です。そう、想像力があれば、あんな言葉はゼッタイに吐けるはずがありません。歴史の改竄など言語道断です。
ユビキタス
日本ホラー界のトップランナーと言われる出身ライターの鈴木光司さんが、16年ぶりに長編ホラー小説を出されました。
「ユビキタス」(KADOKAWA)
鈴木光司さんと言えば、未だにタイトルを聞いただけでもびびっちゃう「リング」。貞子は本当に怖かった。「リング」は世界中で読まれ、映画もヒットしました。
今回は「生命の歴史」に目を向けて「地球生命の歴史を植物視点で眺めたら」という発想から生まれたものだそうです。
鈴木さんは、ホラーの第一人者のように言われていますが、ただの怨念などの怖い怖いを書いていらっしゃるのではないのです。
「エッジ」で著名なアメリカの「シャーリイ・ジャクソン賞(長編部門)」を受賞されたのも、世界中に受け取られているのは、怨念とかを描いたからではありません。
「リング」「らせん」「ループ」の三部作も、ホラーといわれるけれど「人間とは何か」「人間にとって善とは何か」を追及されてのお話しですもの。
「ユビキタス」のあらすじはいえませんが、メインテーマは植物。植物に首を絞められるなんてろくでもない発想ではありませんよ(笑)
宗教集団の集団死を主人公が探る中、首都圏で原因不明の死者が相次ぎ・・・。
一つの事件が全く予想もしない世界観へと運んでいきます。
鈴木さんはインタビューで「ずっと興味があるのは数学や物理などの理系知識ですよ。宇宙の構造にしても人間の脳にしても未知の部分が多い。そこに奇想天外な物語が生まれる余地がある」とおっしゃっています。
きちんとした知識の裏づけがあってこそ、物語は深く魅力的になるのです。
鈴木さんが描き出すすごい発想はどこから生まれるか、是非読んで探ってみましょう。
表面的な怖さを描いても魅力的にはなりません。