menu

脚本家を養成する
シナリオ・センターの
オンラインマガジン

シナリオ・センター

代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

創る

シナリオ・センター式物語のつくり方(日本実業出版社刊)

優先順位

シナリオ・センター代表の小林です。1月も今日で終わり。
まさかの元旦の大地震から始まり、なんだか新春の寿ぎとほど遠い気分の1月でした。
輪島に仮設住宅18戸ができたとか。最初の1歩なのだろうけれど、4000人の応募に18家族にしか報われないって、寒空の中早急な手当てをしてもらいたいところです。
職人の手が足りないという話も聞きますが、それこそ万博に携わっている職人さんをお願いしたらいかがでしょう。
国の総力を挙げて復興に向かっている!お上よ、イメージアップできますよ。

何からやることがいいのか、すべての仕事には優先順位というものがありますよね。
優先順位からしたら、万博よりも被災地の復旧が第一でしょう。
大阪府知事は、能登半島地震と万博を二者択一にするのはおかしい、そこまでやるほどではないからとか訳の分からないこと言っていましたが、二者択一ではなく、優先順位。
被災地に惜しみなくお金を使うことが一番の優先事項、万博への助成などは後回しでいいと思います。
その上で、できるなら延期してでもやればいい。
万博の理念は「いのち輝く未来社会のデザイン」
300億円もかかる、かつ後で取り壊すという万博の象徴というリング、途中までできているならそこで止めて、ここから先は人間の手をつなぎ合って輪(リング)を作ろうというのはいかがでしょうか。
まさに万博の理念そのものだと思いませんか。入場者も増えると思うし。
万博のお金を被災地の方々に使ってこそ、万博の趣旨、理念が輝くと思うのですが。

シーンの描き方

昨日の新年会で、「小林さんがストーリーではなくシーンを描けという話をよく書いているけれど、生徒さんからシーンはちゃんと描いているのになんで?」と質問されたので、「シーンはドラマを描くのよ」と説明をしたと講師に言われ赤面の至り。
私が言葉足らずでした。ストーリ-はシーンでできていて、魅力あるシーンこそが、ドラマであってシナリオの肝だということを言いたかったのですが、うまく通じていないようですね。
お一人だけの話しではないのでしょうね、うーん、伝えるって難しい。
で、何気なく、新井一樹が昨年上梓した「シナリオ・センター式 物語のつくり方」(日本実業出版社刊)を読み返していたら、なんだ、なんだ、明確に書いてあるではないですか。
「負うた子に教えられ」というのはこのことですわ。恥ずかしい。(汗)

『シーンは、物語づくりの中で、最もクリエイティブな領域です。
シーンという表現はシナリオ的かもしれませんが、要は、観客や読者が目にする「場面」という意味です。
どれだけあなたがテーマを厳選し、モチーフに工夫を重ねても、観客・読者が目にするのはシーン(場面)です。
観客・読者が感動するのはシーンであってストーリーではありません。「泣けるストーリーだった」というときも、ストーリーの流れに乗って、目にするシーンに感動するのです。
ストーリーは観客・読者がシーンを味わうための乗り物です。そこからどんな景色を見せられるのかは、あなたの作家の腕にかかっています。
ここまで言っても、人の思考は、ストーリーに傾くから不思議です。「ドラマが描けていない」「ドラマが弱い」「何か面白くない」といわれる原因は、すべてのストーリー偏重になります。面白いシーンを描く。そのための第5章の始まりです』
第5章の「シーンの描き方」の序章です。ちなみに、丸善書店の週刊BEST10に出版から半年経った今も入っています。

ただ漫然とシーンは創るのではなく、このシーンがなぜ必要なのかどう描けば観客・読者を惹きつけられるのか、あなたが描いたひとつひとつのシーンを思い浮かべてください。
感動的な映像が、心を揺さぶるような映像がみえたでしょうか。

過去記事一覧

  • 表参道シナリオ日記
  • シナリオTIPS
  • 開講のお知らせ
  • 日本中にシナリオを!
  • 背のびしてしゃれおつ