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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

人と人

漫画原作 メタモルフォーゼの縁側

コロナ再び

シナリオ・センター代表の小林です。空も怪しい毎日ですが、コロナ感染者が、またまた増えてきています。今日の東京感染者1万6878人。
今週中に3万人へ行くのではという話もあり、東京都の小池知事は、「一刻の猶予もない」と確保病床を5000病床から7000病床に引き上げの要請を出したそうです。
先月友達がコロナに感染しホテル隔離され、やけに身近になってきたなぁと思っていたら、先日も知り合いが、久しぶりに会った友人がコロナ感染者で、濃厚接触者として1週間外出禁止となったとか。ずいぶんと身近に迫ってきた感じがします。
おかげで参議院選は投票ができず棄権せざるを得なくなったそうです。
コロナで投票できないことはわかったのですが、他の病気で入院されていらっしゃる方はどうなっているのでしょう。
郵便での投票もあるようですが、投票日4日前までに連絡しなくちゃいけないらしく、1,2日前になった人はできないのです。
選挙投票は、国民の権利ですから、それを仕方がないで終わらせてしまうのはどうでしょう。
今回もコロナだけで10万人以上の方が棄権せざるをえなかったそうです。
ネット投票などが考えられますが、それもよほどちゃんとしないと誰が誰に投票したというのが如実にわかりそうで、ちょっと信用できない感じです。
少なくとも、パパ活して議会を休んでも議員辞職をせず、ボーナスも給与ももらって平気でいられるような人を振り落とす方法はないのでしょうか。

メタモルフォーゼの縁側

今朝、岡田恵和さん脚本の「メタモルフォーゼの縁側」を見てきました。
映画はいつも見たいと思うのですが、気が付くと終わってしまっているという感じで見逃すことが多いです。
芝居や落語などは前からチケットを取らなければいけないことが多く、予定に入れることができるのですが、映画は公開中いつか見ようと思っていると、ついついね・・・。今日はうまくいきました。

この映画は漫画原作です。
岡田さんはオリジナルも好きだけれど、原作ものは原作と勝負する気持ちになれて楽しいとおっしゃっていたことがあります。
どんな風に脚色されたのか楽しみもありましたが、芦田愛菜ちゃんと宮本信子さんという年の離れた名優同士のぶつかり合いも興味がありました。

さえない女子高生17歳のうらら(芦田愛菜)と、夫に先立たれ一人暮らしの75歳の老婦人雪(宮本信子)。
ある日、本屋で雪がBL(ボーイズ・ラブ)漫画の表紙に一目ぼれしたことをきっかけに、決して交わるはずのなかった2人の人生がゆるやかに優しく交錯し、やがて58歳差の確かな友情が芽生えます。
年齢も生きてきた環境も何もかもが違う2人。
消極的に生きるうららの背中を雪が柔らかく押し、無謀とも思える挑戦へと向かいます。
そんなに紆余曲折のあるお話しでも、過激なお話でもありません。
淡々とした二人の付き合いが、少しずつうららの気持ちにも雪の気持ちにも変化を生む・・・まさにドラマの神髄のような映画です。
二人の演技もさることながら、岡田さんの登場人物誰をも優しい目線で見守っているところがなんともいえません。

ドラマの舞台である古い日本家屋、縁側のある雪のおうち。
縁側は人とのつながりを、開けた扉を、心を表す象徴だと思います。
私が子供の頃は、我が家の周りは、ほとんど縁側のある一戸建てでした。
時代劇でいうところの井戸端会議みたいな、縁側は人とのつながりを創る大事な文化圏でした。
通りがかりに声を掛け合ったり、お茶を飲んだり、どこの子どもにも分け隔てなく叱ったり、甘やかしたりしてくれるおじさんおばさん。
どこの家庭のこともちょっと知っている・・・今だったら個人情報漏洩とかいわれて、許されないことかもしれませんが、ちょっと昔はそこから人と人のつながりは生まれてきたのです。
こういう付き合いは煩わしこともたくさんありますが、人としての生き方を学ぶことができた場所でもありました。
雪の家の縁側は、そんな時代を過ごした開かれた心を持つ雪そのものかもしれません。
心からゆったりできる、なぜかそれぞれの想いに自然と感情移入できる、とても穏やかに和む映画でした。
ここ最近の不愉快な日々を和ませてくれました。

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