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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

受け入れって

はろー!マイベイビー(小学館ジュニア文庫刊)

何もかも違って

シナリオ・センター代表の小林です。今日はようやく春めいてきました。でも、まだちょっと肌寒い東京です。
今日は、私は、久々に超多忙の1日になりました。
というのも、午前中は、池袋でキッズシナリオをさせていただき、午後から4月シナリオ8週間講座の開講だったのです。

キッズシナリオは、池袋のサンシャインで行われ、認定 NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワークを通して豊島区に住む子供たち(さまざまな国籍、年齢)30名ほどを子どものためのボランティア団体キワニスクラブが、水族館見学とキッズシナリオイベントにご招待したという形で行われました。
サンシャイン水族館で空飛ぶペンギンなどを楽しんできた子どもたちに、春休みなので、物語づくりの楽しさを感じてもらおうと行いました。
ちょっと大変だったのは、年齢もばらばらで字も書けない3歳児から高校生まで、トルコや中国のこどもたちなど多種多様で、日本語を書けない、読めない子供もいて、さすがに戸惑いました。
でも、キッズシナリオ担当の新井は、キャラクターづくりからすぐに引き込んでいきます。
驚いたことに、ほとんどの子どもはできない子はできないなりに、かきたい子は裏まで使ってびっちりと、わずか15分くらいでシナリオを描いてくれました。ホッ!
ウクライナの難民だけの問題ではなく、多国籍の子どもたちが日本にも増えてきています。
これから、生き方、育ち方、言葉の違う人々がお互いを知るためにも、シナリオをうまく使っていけたらなぁという思いを深くしました。
日本人同士ですら差別や偏見がある中で、これからは、すべての人は人間として同じで、そしてみんな違っているのだということを、私たちひとりひとりがしっかりと受け止めなくてはいけない時代です。
だからこそ、シナリオを使って、相手への想像力を広げていけたらと思います。
それは、案外難しいことではなく、自分と違うことを面白がって出会えば、多種多様の集まりでも、なんとなく気持ちって通じるもんだと思います。
今朝のひとときは、そんなことを感じさせてくれたひとときでした。

はろー!マイベイビー

作家集団の綱島深雪さんが小学館ジュニア文庫で、昨夏デビューを果たしました。
「はろー!マイベイビー」(小学館ジュニア文庫刊)そして、この春、「はろー!マイベイビー2」が。
ジュニア文庫は、小学生から中学生までの本で、今回は漫画を小説化したものですが、子供だけでなく大人も楽しめます。

母親を早くに亡くし、超多忙な父親と二人暮らしの小梅、中学1年生。幼馴染で成績優秀、スポーツ万能のモテ男子の萩野真生とは、隣同士で仲が良く、いつも一人で暮らしている小梅にとてもやさしく接してくれる。小梅は、真生にラブなのだが、真生がどう思っているのかはわからない。そんな小梅の前に、10年後の未来が見えるおまじないが降ってくる。
真生のことを好きな小梅は、将来隣にいる人が誰かを知りたくて思わずおまじないをすると、なぜか鏡の中から赤ちゃんが出てくる。
そして、中学1年生の小梅が赤ちゃんに振り回されることで、真生との距離が縮まっていき、カレシカノジョになれたところが1巻。
2巻は、真生が父親の転勤で隣から引っ越してしまうことになり、寂しく不安になっている小梅の前に、未来に帰ったはずの赤ちゃんがちょっと大きくなって戻ってくるところから始まります。

鏡の中から未来の赤ちゃんが突然現れて、中学生が赤ちゃんを育てるという荒唐無稽なお話なのですが、それを全然感じさせないで、面白く読ませてしまうのは、新米ママ、パパになる小梅と真生のキャラクター、あいちゃんというBABYの赤ン坊然とした可愛い行動が織りなす様々ことが、現実とかけ離れていないからかもしれません。
きっと、新米ママ・パパになった現実の大人と、色々悩み苦しみながらも愛情注ぐ中学生のふたりが、同じ感覚、経験をしているからなのだと思います。そこをきちんと描くことで、引き込まれていくのです。
次の第3巻は、あいちゃんは、小梅たちはどのように成長しているのでしょうか。大人も楽しめるジュニア小説です。
新米ママ・パパも、是非お読みください。子育てに悪戦苦闘しているのは自分たちだけではない、赤ちゃんって、こういうものですよと安心させてくれます。

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