menu

脚本家を養成する
シナリオ・センターの
オンラインマガジン

シナリオ・センター

代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

視点

ある王妃の死(劇団青年座)

人でありたい

シナリオ・センター代表の小林です。お上のあまりのやり口にショックを受けました。
森友問題の裁判のことです。
ご主人の自殺の真相を知りたいと、あえて払えないだろう額を提示して裁判を起こしたのに、1億1000万円の賠償金を払って、裁判を終わらせ、真相究明を閉ざした国。
裁判官も突然のことに驚いたこの仕業、いったいそこまでして国は何を隠したいのでしょう。
赤木さんの奥様の言葉「夫は国に殺されたと思っています。何度も何度も殺されて、今日また殺されました」重い。
国は、安倍さんは、麻生さんは、安倍の奥さんは、佐川さんはじめ財務省の面々は、なんにも感じないのだろうか。
心は痛まないのだろうか。
死体を何度も何度も踏みつけているような行為をしていることに気がつかないのだろうか。

賠償金は税金、国民はこんな非道なことに加担させられていることになります。
まるで戦争の始まりのようです。誰ひとり加担したくないのに。
少なくとも上に立つ人間こそ、人であって欲しい、人の心を持っていて欲しいです。
改ざん、隠蔽、書き換え、漏洩、買収・・・決して目を背けない、忘れない、一国民の私たちは人の心を持ち続けて、しっかりと見つめていきたいと思います。

歴史的視点

乙未事変をご存じでしょうか。私は小説でしか知らないのですが、日本公使が暗殺団を作って、時の朝鮮王朝の閔妃を斬殺した事件です。
朝鮮王朝の実権を握り、排日・親露政策をとっていた閔妃に対し、日本公使の三浦梧楼は、閔妃の政敵である大院君を擁して親日政権を作ろうと画策します。
暗殺計画を立て、1985年10月8日早朝、日本軍守備隊、警察官らによる一団が王宮の景福宮を襲撃し、閔妃を斬殺。
親日政権が作られるのですが、事件の一部始終を宮廷内にいた米国人、ロシア人らに目撃されており、国際的な非難を浴びてしまいます。日本政府は三浦ら関係者を帰国させ、裁判にかけるものの、証拠不十分で免訴、釈放となり、その後三浦は枢密顧問官などを歴任し、政界の黒幕として活動していきます。
う~?どっかできいた?歴史は繰り返す?
あ、このお話は、舞台脚本コンクールでご協力いただいている劇団青年座さんが、1月に上演する「ある王妃の死」です。
実話に基づいてなぜ事件が起きたのかに向き合います。
1月21日から30日、東京芸術劇場シアターウエストで。
シナリオ・センター会員は、特別割引きで観劇できますので、シナリオ・センター事務局へお問い合わせください。

歴史の行間のお話は前にもしましたが、歴史って創作の題材の宝庫ですね。
歴史というのは事実であるけれど、事実も視点が変わると描き方も変わります。
歴史の表舞台に立っているのは、基本勝ち組視点。負け組視点で見たら、全く変わってくると思います。
例えば、出身ライター山本むつみさんが描かれたNHK大河ドラマ「八重の桜」。
負け組会津藩を描いたドラマ、負け組視点というのはとても珍しく、それは東日本大震災復興のために福島にスポットがあたったからで、とてもいいドラマでしたが、本来なら通りにくい企画なのかもしれません。

実在の人物や歴史ものを描くときは、一方向ではなく、多方向で資料を調べ、どの視点で描くかが作家性になってくるのかと思います。
フィクションを描くときも、同じかもしれませんね。
広い視野を持つことが創作の肝、そこから作者の想いを描くと、オリジナリティあふれる作品になるのではないでしょうか。

過去記事一覧

  • 表参道シナリオ日記
  • シナリオTIPS
  • 開講のお知らせ
  • 日本中にシナリオを!
  • 背のびしてしゃれおつ