menu

脚本家を養成する
シナリオ・センターの
オンラインマガジン

シナリオ・センター

代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

あたらしきこと、めずらしきこ、おもしろきこと

勝運弁当

143期説明会

シナリオ・センター代表の小林です。昨日は、シナリオ作家養成講座の説明会を行いました。
日曜出勤なので、説明会の時はいつもスタッフにお弁当を用意します。
今日は「勝運両国」というすき焼き弁当。
コロナ禍で負けそうな気持を勝運にかけようと。(笑)
お蔭様で、たくさんのご参加をいただきました。

通学とオンラインの併用、ハイブリッドで行っている講座ですが、実際に対面で授業を受けたい方が増えいます。
気持はとてもよくわかります。講義をさせていただいている私だって、リアルはやっぱり楽しいです。
とはいえ、アナログの私でも、オンラインはオンラインで、遠くの方とまるでそばにいるようにお話しできるので、まだまだ馴染めない部分もありますが、リアルとは違った感覚で楽しいです。
なので、今までやっていなかった「なんでも相談室」とか「新井一かく語りき」とか気軽に参加できるオンラインイベントも盛んに行えるようになりました。
先日もオーストリアの方が参加されていて、「そちらは何時ですか」から始まり、向こうでの生活を教えていただきました。
地球の反対側とお顔を見ながら話ができる、アナログの私には考えられないようなことが、今は当たり前のようにできる、素敵なことですね。

それなのに、何故コロナで入院できないのでしょう。
色々なことができる世界になりながら、古い体質を引きずった人たちが上に立っていると、コロナに罹っても入院すらできず、医者にすら診てもらえずに、ひとり自宅で亡くなっても、それだけで終わってしまいます。
上に立つ人は、どうやっても欲得づくと権力志向から外れることはできないのでしょうか。
ちょっと視点を変えれば、考え方も変わる、いつも見ていないところにあえて目を向けてみる・・・そんな簡単なこともできないのかと腹立たしさが募ります。
新井一がシナリオ・センターを創設した意義「自分で想い、考え、伝えられる人を育てたい」
説明会でもお話しさせていただきましたが、より声をあげたい私です。

シナリオを考える10則

これからシナリオを志す方々へ送ります。
「シナリオを考える10則」新井が天国からプレゼント。

1,原稿用紙をフィルムと思え
今は、原稿用紙で書く方も減り、フォルムで映すことも少なくなりましたが、フィルムで映る(映像で映る)ものだけを描写しなくてはいけないということです。
原稿用紙に書いているのではなくフィルムに描いている、映像を頭の中に浮かべられるよう描いてください。
2,題材を選べ
多くの人が満足を行く題材というものはあるのでしょうか。それは作者の視点で支えられるものでなくてはならないのです。
3、ひとりよがりになるな
シナリオは常に2000万人の人に観てもらえるように書く、自分が描きたいように書くのではなく、観客に対してどうわかってもらうか、感動してもらうか、気配りが大切なのです。
4,何を描くかをはっきりと
どういう題材をどういう視点で取り上げるかによって作品の価値が決まります。
「忠臣蔵」を書くのでも、大石蔵之助側から、吉良上野介側から、女性の立場から描く、視点のアイデアがほしいです。
5,人間を描け
人の胸を打つことは全部人間なのです。
人間は複雑で裏と表、本音と建前、欲望と理性との戦い・・・。二面性を描くことが必要です。
6,シナリオは描写で説明できない
セリフで全部説明しちゃおうという作品があります。
描写は心を打ちますが、説明はわからせることが目的です。
感情を表すセリフが大事です。
7,動機がなければ動けない
動機なき殺人などと言われる事件が多い昨今ですが、人には全て行動の動機があるのです。
動機づけがないと、テーマはもちろん、キャラクター、ストーリー自体も違ってしまいます。
8,構成が訴え、ひきしめ感動させる
構成には起承転結、序破急、ハリウッド三部構成などがありますが、どれも物語をどの順序で持っていくかの技術です。
順序を間違えると、感動するはずの話しも感動できなくなります。
9,目に浮かぶように書け
文章は文字であって絵ではありませんが、抽象的ではなく具体的に書けば目に浮ぶことができます。
色々なこだわりをちょっとおいて、「誰と誰が何をしている」というシンプルなところから書けば抽象にならずにすみます。
10,面白くなければシナリオではない
ありきたりのことを書いても面白くなりません。世阿弥の「新しきこと」「珍しきこと」「おもしろきこと」が必要です。
面白くないなと思ったらあべこべに見てみましょう。

シナリオの技術は教えられます。
ですが、感性は教えることができません。1人ずつ違うからです。
あなた自身の感性を磨くこと、創作に一番大事なことかと思います。
感性を磨くには、「他人の話を聴くこと」からではないでしょうか。

過去記事一覧

  • 表参道シナリオ日記
  • シナリオTIPS
  • 開講のお知らせ
  • 日本中にシナリオを!
  • 背のびしてしゃれおつ