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シナリオ・センター

代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

映像表現の技術

50周年+1 はじめちゃん

映画

シナリオ・センター代表の小林です。一般社団法人日本映画製作者連盟がついに「映画館再開を求める声明文」を出しました。
劇場はOKなのに、映画館はダメってなんで?と映画好きだけではなく誰もが疑問に思われていたことでしょう。
映連も東京都にお訊ねしたそうですが、「人流を止めるため」ということだけで、劇場が再開できて映画館がだめという理由を教えてはもらえなかったそうです。
映画館を閉めなくちゃ本当にいけないのなら、それは仕方がないことです。コロナ禍ですからね、これ以上蔓延させてはいけませんからね。
でも、明確な理由もなく、ダメ。美術館もそうですよね。
映画館を、美術館を開けると、こういうことが起こり得るからと科学的に説明してほしい、オリンピックはできるのに、劇場はOKなのに、映画館はダメなんて、わけのわからないことしか言わないから、みんな怒るのです。
どうすることが安心安全にあたるのか、そのためになにをすればいいのか、具体的な答えを持ってきてほしいのです。
シナリオ的には、説明ゼリフはNGですが、説明すらできないのはもっと悪い。
映画はテレビでも見れますけれど、やっぱり映画館で観るのとは大違い。
なんだろうな、あくまで私見ですけど、小さい画面だとストーリーを追うことで精一杯だけど、大画面でなおかつ暗くて、そこだけに集中できる映画館は、神経が研ぎすまされて、集中できるからディテールがよく見えて、より感動できてるのじゃないでしょうか。
基本、テレビドラマと映画は作りも違いますしね。
ああ、映画が見たい。

シナリオ

新井の書いた「20枚シナリオの書き方」の新版を創るために読み返しています。
なにしろ、新井が描いたのは50年も前ですから、何回か手を加わえたりしていますが、それでも、新井没後23年、最後ですら20年以上前になります。
そんな古臭いことを教えているのかと思われるかもしれませんが、ありがたいことにこの新井の遺産「シナリオの基礎技術」と「20枚シナリオ学習法」、ちっとも古くならないのです。
何故かというと、シナリオ・センターで教えている新井の遺したものは、技術だけだからです。
映像表現の技術は、どんなにハードがよくなろうが、画面が分割できようができまいが、見せ方、伝え方の技術は変わらないからです。

20枚シナリオは、シナリオ・センター独自のシナリオ学習法です。
センターに入学された方は、基礎講座で、最初は原稿用紙2枚から徐々に枚数が増えていく中で、20枚シナリオの意味、意義を理解してくださっていきます。
短いものを書いていては、長いものが描けないとか、20枚ではストーリーが描けないとかおっしゃる方がいます。
ドラマはストーリーを書くものだと思っているからです。
ストーリーは物語ですから、ああなってこうなってと筋を書いていくと20枚ではもちろん収まりません。
20枚シナリオはストーリーを書きません。
新井は言います。「20枚シナリオという容器は、ストーリーを入れるものではなくて、ドラマを入れるものなのです。」
ドラマとは何か、人間を描くことです。
20枚シナリオの真意はデッサンです。その部分を書くこと、ディテールを書くことで、人間の本質を、映像表現をしっかりと見つめられるのです。
シナリオ・センターが新井イズムにこだわり続けるのは、伝えるための本質を新井が教えてくれているからです。

コロナ禍になって、むしろたくさんの方が受講されています。
皆さん、伝えたいことがいっぱいあるのでしょう。
今こそ、人間の本質を見つめるドラマ作りを楽しんでいただきつつ、今の社会を見つめ直してみるのも大切ではないかと思います。

過去記事一覧

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