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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

人間は人工知能に勝てる?

視点の違い

人工知能のほうが・・・

シナリオ・センター代表の小林です。新しいパソコンにしたら、便利になった部分もありますが、ほとんど「あ~」とため息の出ることが多く、こうどんどん仕様が変わると年寄りの頭がついていけないだけでなく、会社の機動力にも関わります。
PC
担当は、より事務局スタッフが使いやすいように頑張ってくれているのですが、そのためにまあ忙しいし、不具合が出るたびに自分のせいのように残業早出で、実務に支障をきたさないように動いてくれて本当に申し訳なくてたまりません。
新製品を作らなくちゃいけないのはわかるけれど前の仕様が使えなくなるのがわからない。
人間が機械に振り回されていく未来は、これからではなく、もう来ているのですね
それだけに、人間性の劣化にSTOPをかけないと人工知能にとってかわられるかも。
嘘つくのは当たり前で、うまくやれば犯しても、傷つけても、殺しても何もお咎めもない、お金さえあればなんでもできる世の中にSTOPをかけないと、もうロボットのほうがよっぽど信頼できるようになっちゃいます。
外山滋比古さんの「伝達の整理学」(ちくま文庫刊)を読んでいたら、その大きな原因は聞く耳を持たないからだそうで、さもありなんと思いました。
国会中継を見るまでもなく、国を司る人たちのなんと話を聞かない人の多いことか。
日本の教育は読み書きの教育で、話の聴き方を教えることはなく、それだけに人の話をじっくり聞き取ることができなくなったそうです。なるほど!
人工知能に負けないためにも、人として豊かな感性をもって生きていくためにも、言葉の伝達はより一層大事なことになりそうです。

いつもだけどシナリオって

シナリオは、アクションとリアクションを書きます。
自分だけが言いたいことを言えばいいのではなく、相手の応答も描かなくてはなりません。言いっぱなしというのがありえないのがシナリオの創作です。
対立・葛藤・相克がドラマです。
ドラマチックにするには、その対立が激しければ激しいほど面白くなるわけで、それにはどうしたらいいのかといえば、対立が等価値である、または等価値にみえることです。
例えば、結婚相手を選ぶとして、人の気持ちを汲んでくれる優しい人と傲慢でDVしそうな人とどっちがいいかって、明らかすぎたら葛藤も起きりませんものね。
創作者として等価値を探るということは、相手の話を聞かなければなりません。
自分はこう思うけれど、でも、違う意見や考え方もあるよね、それはどんなもんなのだと聞こうとする力が必要になります。
相手を想う想像力が鍛えられます。
人の気持ちを考えるのは、日常でもなかなか難しいです。
でも、シナリオで描いてみると、自然と身につけることができると思います。
一人称ではなく常に俯瞰でしか見ることができないシナリオだからこそです。
新井一は「人に惑わされず、自分で想い、考え、伝えることのできる人を育てたい」ということで「一億総シナリオライター化」を掲げました。
あえて、小説ではなくシナリオであることの意味は、聞く耳を持つことができるのが、いや聞く耳をもたなければ創れないのがシナリオだからこそだとわかっていたからです。
センターでは、小学校へ出前授業を行っています。
それは、コミュニケーションは一歩通行ではなく、他人の話を聞き、自分の意見を伝えることであること、そしてみんな違うことが当たり前だという認識を、自然にわかってほしいからです。
同じようなことをいつも言っていますが、毎日ニュースを見るたびに、日本中の人にシナリオを描いてもらいたいと痛切に思ってしまうのです。
みんなが幸せな世の中なんて夢かもしれませんが、ありえない夢でも、夢を持たなければ叶うこともできません。小さな芽を育てていきたいと心から願っています。

 

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