menu

脚本家を養成する
シナリオ・センターの
オンラインマガジン

シナリオ・センター

代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

よく(49)なる年に

上映会での出演者による鏡割り

おめでとうござます

明けましておめでとうございます。シナリオ・センター代表の小林です。
年末年始、長いお休みをいただきました。
新春初日の今日は、事務局のパソコン開かず、102・204教室のエアコン動かずという幕開けでしたが、迅速な対応をしていただき、事なきを得て、お蔭様でセンター事務局一同、全員明るく元気に、新年を迎えることができました。
皆様は、どのような新年をお迎えになられたことでしょう。
私は、今年人生初のことを3日に行いました。というほどのオーバーなことでもないのですが(笑)、箱根駅伝の応援を沿道で小旗を振りながら、1番からラストの選手まで見届けました。
ちょうど仮住まいの場所が第一京浜と日比谷通りに直ぐ近く。この機会を与えられたのだからナマで見なくちゃと初応援に。
ちょうどカーブのところなのでとてもよく見えました。復路、最後の追い込みです。
あっという間に、瞬間で駆け抜けていく選手たち。私にとっては動体視力との勝負でした。(笑)
若い人が懸命に走る姿は、本当に美しい。
私自身の努力でもない初体験ですが、それでも人生初のこと、案外に感激しちゃいました。

昨日は、錦織選手が今年初試合ブリスベン国際で優勝。メチャ嬉しくて、「やったぁ!」と叫んだら、愛犬はるに逃げられた・・・。(笑)
ここのところ調子が良くてもなぜか準優勝になってしまうことが多く、ドキドキしながら観戦。
3年ぶりのV、しかも2019年初戦V、なんかいい予感。今年の錦織選手にワクワクします。
すべて他人事ではありますが、初春から気持ちの良いスタートを切ることができました。
ありがたいことです。
ご一緒に、シナリオ・センター49周年の今年、49(よく)なるように頑張っていきたいと願っています。

手本は

今年初小田原・・・なんでも初をつけると1月の季語になります。(笑)
6日に二宮金次郎を輩出した小田原で、「二宮金次郎」のプレミアム上映会が行われました。
映画「二宮金次郎」、脚本柏田道夫、監督五十嵐匠というシナリオ・センター出身がタッグを組んだ作品です。もちろん、シナリオ・センターもサポーターとして応援させていただいています。

二宮金次郎は、ある程度の御歳の方なら、薪を担ぎながら本を読む金次郎像をご存知でしょう。
子どもの頃は、貧しくても働きながら学ぶ金次郎は、理想像として語られ、たしか「手本は二宮金次郎♪」という唱歌もありました。
私は失礼なことに、そのくらいしか知らなかったのですが、実は、600ヶ所ものの貧しい村々の復興を果たした人なのでした。
至誠を常に、熱心に働くこと(勤労)、自分にふさわしい生活をすること(分度)、働いて得た余分は将来の自分のために蓄えたり、社会に進んで譲ること(推譲)を基本とした「報徳仕法」を農民たちに教えました。
一百姓の金次郎が行ってきた「報徳の仕法」が小田原藩主に認められ、士分として各農村でこの教えを実践して、次々と復興を果たしてきたのです。

五十嵐監督は、こういう今だからこそ、二宮金次郎の映画を創りたいと思ったそうで、その熱い想いは役者さんたちによって見事に具現化されました。
二宮金次郎の対極にあるのは、補助金で働かずに田畑を放置し、酒を飲み、博打に現を抜かす名主、藩士、農民たち。彼らは私腹を肥やし、楽に己が得することばかりを考えています。
まさに今の世の中と変りません。自ら生産性のかけらもないのに生産性を他人に押しつける、自ら命を投げ出す気もないのに命を国に捧げろと言う、自ら他人の話を聞く気もないのに他人には聴けという、自ら手を汚しているのに知らないとしらを切りとおす・・・etcetc。
二宮金次郎は、愚直なまでに人との対話を大事にしながら、対極にいる人にも真心(至誠)を尽くします。そうした金次郎の姿勢は、侍のプライドから敵対し、次々と金次郎の邪魔をしていた藩士豊田の心を動かし、最後には金次郎の「報徳の仕法」の推奨者となり共に働きます。
「今時ありえねぇ~!」と言ってしまえばあり得ない人かもしれませんが、今の我々が失ってしまったものがここにあります。
人の営みは、人の心は、どんなにAIが進もうが便利になろうが変りません。むしろ、だからこそ人としての真価が問われるのです。
この映画「二宮金次郎」は、私たちが失いつつあるものをもう一度思い出させてくれる、人として大切なものはなにかを問われる映画だと思います。
上映はまだ先、夏の予定ですが、日本中の方々に、特に若い方々に観ていただきたいと思います。

過去記事一覧

  • 表参道シナリオ日記
  • シナリオTIPS
  • 開講のお知らせ
  • 日本中にシナリオを!
  • 背のびしてしゃれおつ