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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

いじめの芽

シナリオ・センター代表の小林です。ここのところ、桜島の噴火に、地震も結構あるなあと思っていたら、台湾は大変なことになっています。
東日本大震災の時に大きな手を差し伸べてくださった台湾に、こちらもお返ししなくてはと思います。
杜撰な手抜き工事で倒壊したマンションもあるとかで、日本でもそうですが、経済経済、豊かな生活というより、地に足のついた生活に変えるべきではないかと思います。

 十字架

2月12日に行う「ミソ帳倶楽部達人の根っこ」でお話しいただくのは、五十嵐匠監督です。
いじめの話しなので、どこも企画を通してくれず、それでもどうしても見て欲しくて苦労して「十字架」という映画を作られました。 先週の土曜日から、東京はスバル座で公開しています。
私は、まだ拝見していないのですが、重松清さんの原作は読んでいました。
とても辛い話ですが、だからこそ誰もが被害者にも加害者にも傍観者にもならないように、ちゃんと見つめて、考えていけない問題だと思っています。

私事で恐縮ですが、娘が高校生の時にいじめにあい、不登校を繰り返しながら、なんとか卒業にこぎつけた経験を持っています。
いじめのきっかけはまったくわかりません。1年生のある日突然、一部の男子から執拗ないやがらせを卒業まで続けられました。
色々ありましたが、娘の場合は、支えてくれた友達、先輩たちがいてくれたおかげで、最後の一線は踏みこたえました。
卒業式の日、友達と卒業旅行に楽しそうに出かけた娘たちを見送った後、お友達のお母様方とお茶をしました。
そのときに、「よく卒業まで頑張ったわね」と言われ、娘がどんないじめにあっていたかという話をきかされ、愕然としました。本人からはまったく聞かされていない話ばかりだったからです。
親は何もみえていなかったのです。

今は、売れないながら舞台女優として楽しげに過ごしてくれています。高校の友達とお母様は必ずご一緒に、舞台を見に来てくださいます。 おかげで、素晴らしい友人と巡り合えたのだとは思いますが、青春の真っただ中に楽しみを与えることのできなかった、何もできなかった親として忸怩たるものがあります。

自殺したり、殺されてしまったり、いじめは後を絶ちません。今もどこかで誰かが苦しんでいることでしょう。
いじめはどの世界にもあります。
人が集まればそこにはいじめの芽は発生します。学校でも会社でも、ちょっとした集まりでも。
他人の心は様々ですから、どのような対応がよいものなのかはわかりません。
だからこそ、私は、想像力を育てるために「シナリオ」を日本中の人に書いてもらいたいと願っています。
想像力とは、他人を想う心です。

五十嵐監督の映画「十字架」をみていただき、お話を聴いていただきたいと切に望みます。

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