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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

生きるということ

その昔の内館さんを引っ張り込んだシナリオ・センター新聞広告(マークは旧タイプ)

沈黙こそ悪

シナリオ・センター代表の小林です。今日は久々の雨。しかも本降りの表参道です。昨日の春の陽気の嬉しさとは違うけれど、雨がこんなに待ち遠しく嬉しいとは思いませんでした。貯水池付近にいっぱい降って欲しいです。喉のガサガサがちょっとよくなった気がします。

インフルエンザA、B型ともに、コロナに、感染性胃腸炎、花粉症など等、やたらと色々な病気が蔓延している昨今です。
病気はいつなんどきなるのかは誰にもわかりませんし、好きでなる人はいません。
それなのに、多くの薬を保険適用外にしたり、高額療養費制度の限度額を引き上げようとしたり、この国のお上は、自分たち以外は生きていなくていいと思っているのではとさえ思えます。

芥川賞作家の川上未映子さんが「高額療養費制度の限度額引き上げは、かならず白紙撤回に!いま治療を受けていらっしゃる方々にとってはもちろん、例えばがんは3人に2人が罹患しますし、いずれ全員が何らかの病の当事者になります。
治療の機会が奪われてはならないし、継続ができるかできないかは、そのまま生き死にの問題です。まったく他人事ではありません。ぜひ皆さんもご一読のうえ、ご署名をお願いします。かならず白紙撤回にしましょう!」と高市政権の政策を批判し、全国保険医団体連合会の提言への署名を呼び掛けられたのを初め、「高額療養費の限度額引き上げを撤回してください!」と呼びかける署名が今、エックスを中心に急速に広がって、多くの著名人も声を上げ始めました。
署名を立ち上げた全国の医師らで構成する全国保険医団体連合会では、今や24万筆を超えたそうです。
人の命を軽々しく扱ってはいけないのに、病気の人は生産性がないからいらないとでもいうように、お上の弱者への切り捨てはひどいです。
私たちも声をあげていきましょう。
「最大の悲劇は、悪人の圧制や残酷さではなく、善人の沈黙である」(キング牧師)

見切り千両

日曜日のNHK「あの日、あのとき、あの番組」は、「内館牧子さんを偲んで、ひらりの名場面と相撲愛、東北大学相撲部への素顔」と題して、朝ドラ「ひらり」で主役の石田ひかりさんをゲストに内館さんの功績を偲んでいました。

内館さんといえば「切ないOLに捧ぐ」(92)のエッセイ。多くのOLを刺激し、おかげ様で、シナリオ・センターの門をたたいてくださった方は数知れず、30年経った今も「切ないOLに捧ぐ」を読んでという入学動機をたびたび見かけるほど。
内館さんが、あの本を書かれた頃は、会社は終身雇用が当たり前、女性は25歳過ぎたら売れ残りとか言われる時代。
あの頃に内館さんは35歳で13年半務めた大企業をあえて辞めて、シナリオ・センターへ入りました。
番組でも紹介された小さなシナリオ・センターの新聞広告をみて。
内館さんが「自分の人生を、自分の道を」とシナリオの道を選ばれたのは、実は私の作った広告文だったのです。すてきでしょ。(笑)
内館さんの座右の銘として 「見切り千両」 という言葉が紹介されました。上手に見切りをつけることは、千両もの価値があるという意味です。

番組では、前に撮ったシナリオ・センターでの授業風景も出してくれて、亡き後藤所長の懐かしい姿も垣間見え、思わずジーンとしてしまいました。
ドラマ作りのお話しは朝ドラ「ひらり」が中心。
主役ひらりを演じた石田ひかりさんが、内館ドラマのすごさは登場人物のセリフの リアリティと話していました。
『主人公だけでなく、父親、母親、祖父母、ご近所さんまで、それぞれが「自分の言葉」で話しているように感じられる。だからこそ、見る側も「どこかにいそうな人たち」として、すんなり物語の中に入っていけるのです。』
確かにそうですね。
一にキャラクター、二にキャラクター、三、四がなくて五セリフというのが内館さんのモットーでした。
センターの講義でも、口を酸っぱくしてストーリーはキャラクターが創る、とおっしゃっていましたから。

もうひとつは、『内館さん特有の 「歯に衣着せぬ物言い」。遠回しにせず、ズバッと本音を言うセリフは、ときにドキッとしますが、そのぶん胸に残ります。』
『ひらりは悩み、失敗し、ときには身勝手に見えるほど自分の気持ちに正直に動きます。その揺れ動きこそが、内館さんが描きたかった「生身の人間」だったのだと思います。』
石田ひかりさんが、一番気に入っているセリフは「物事はあるところまで考えたら、あとはひらりと飛んでみることも大事」
内館さんの心情そのもののセリフですね。

放送では、相撲、顧問をしていた東北大相撲部への想いが描かれており、その中でさすが内館さんだと思ったのは、相撲部の学生に、応援(寄付)してくださる方へのお礼状をきちんと書くことを教えていらしたこと。
いつでも内館さんは、自筆で書かれたお礼状や年賀状をくださっていたのですが、こうした礼儀まで若者たちに教え、将来、人としてきちんと生きられるように導かれていたようです。
コロナ前でしたが、後藤と内館さんと三人でお食事をしたことが懐かしい思い出となってしまいました。
二人で後藤の追悼に赤ワインをしこたま飲もうという最後の約束は、入院されて反故にされちゃいましたが、きっと天国校で後藤とともに赤ワインをがぶがぶ飲んでいることでしょう。合掌。
ずるーい。

 

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