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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

いろいろあります

歌舞伎座11月公演「吉例顔見世大歌舞伎」

災害対策

シナリオ・センター代表の小林です。昨日は「表参道シナリオ日記」をお休みしてしまい、失礼しました。
昨日は、退社するまでドタバタとスタッフ一同お大騒ぎでした。
というのも、3時過ぎくらいから2階から水漏れし、2階の廊下、教室の一部がずぶ濡れ。
歩くのもままならず、吸収シートを置いたりモップをかけたりして、何とかしのいだものの、受講生の皆さんにはご迷惑をおかけしました。
それで終わりかと思ってほっとしたら、1階へ漏れてきて、しかもじゃあじゃあと驚くほど流れ落ち、びっくり。
特に私の周りの天井が凄くて、漏電するといけないので、教室のためのPCだけを動かして、ようようの思いで授業を完遂しました。
事務局は、照明も玄関部分だけ、暖房はなし、においが心配でドアはすべて開け放ち、段ボールや紙を敷きつめ、ゴミ箱などをバケツ代わりにしては、たまった水を捨てたりと大わらわ・・・。
業者さんも当面は水落ちを止めるしかなく、水漏れは止まらない限りはなにもできず、やっとぽたぽたくらいの音になったところで、何とか帰ったというわけで、今朝も、1階が水浸しになっていたらどうしようと、スタッフは恐る恐る開錠したそうです。幸いにバケツ内で留まっていて、ホッ。
とりあえず、漏電の恐れもなくなり、PCの影響も調べてOKになり、片付け掃除して、今日が始まったという次第です。
長々書きましたが、こんなことってあるんだなぁと不測の事態にどう対応するか、常に考えて対応できるようにしておかなければと思った次第です。
幸いに、私の机周りはOUTでしたが、教室は問題がなかったので、授業はでき、それだけでもありがたいことでした。
何が怖いって、漏電からの火事はもちろんのこと、今は一番怖いのはデータの消失だそうで、業者の方も何事もなくてホッとしていました。
なんでかんでもPC、デジタル頼みの時代。災害になったら、どうなるのでしょうか。
こんな小さな問題でも、仕事は動かなくなります。お上はちゃんと考えているのかなぁ。

新作歌舞伎

歌舞伎座で「歌舞伎絶対続魂~幕を閉めるな~(ショウ・マスト・ゴー・オン)」を観てきました。
三谷幸喜さんの脚本の歌舞伎です。
この脚本の大本は、三谷さんが昔主宰していた「東京サンシャインボーイズ」に書き下ろしたもので、その後もテレビドラマ化、舞台化をしています。
この作品は、シチュエーションコメディなので歌舞伎でどのようにするのか、愉しみでした。
三谷さんは歌舞伎に過去に「決闘!高田馬場」「月光露針路日本風雲児たち」を書き下ろしていますし、文楽も書かれています。古典も大事にしてくださっているのですね。

今回は現代劇だった「ショウ・マスト・ゴー・オン」を歌舞伎用に脚色したわけですが、芝居の舞台裏での話なので、どのように歌舞伎化(というのはおかしいか?)されるのかなぁと思っていたら、ほぼほぼ現代劇でした。(笑)
江戸時代の芝居小屋の舞台裏ですが、昔見た「ショウ・マスト・ゴー・オン」とあまり変わりなく、ひたすら笑えましたし、役者さんも楽しそうで、面白く拝見しました。
ただ、8月公演の野田秀樹さん脚本「研辰の討たれ」は歌舞伎として見れましたが、今回は歌舞伎座で公演した時代劇という感じがしました。ファンの方には怒られるでしょうけれど。(笑)
歌舞伎の新作も故猿之助翁が大きく広げて、今は「ワンピース」「刀剣乱舞」「風の谷のナウシカ」なども歌舞伎になっていますし、どんどん新しいものへの挑戦をみるのは楽しいものです。

国立劇場歌舞伎歌舞伎脚本募集で、シナリオ・センター作家集団の安樂井薫(あらい くん)さんが、佳作入選されました。
「新平家公達草子 男女西海扇(しんへいけ きんだちぞうし にせのえにしさいかいあふぎ)」
平家の一門通盛のお話しです。
義経軍に押され気味の平家一ノ谷の陣でのお話しです。

歌舞伎の脚本を書かれるのは、大変ことだろうと思います。他に入選された方の作品はわりと現代劇と変わらない感じで書かれていらっしゃいましたが、安樂井さんは、義太夫までお書きになっていて、そのまま舞台化できそうな平家の悲劇の一つになるような心打つお話しだと思いました。
ところが、安樂井さんのお話しでは、受賞した時に「舞台化は無理」と釘を刺されたとか。
新作って、役者さんがやりたいと言ってくれるとどんどん進むらしいです。
三谷さんのお芝居でも、幸四郎さんがやりたいということだったそうですし、今の歌舞伎界は、新作を拒むことはないはずなのですが、コンクール作品というとハードルが高いのでしょうか。
でも、折角コンクールをするなら、上演目的で考えて欲しいと思います。
せめて、役者さんに読んでいただく算段をしてくださったらと願ってしまいます。
歌舞伎は、日本の芝居の大本でもあります。シナリオを志すのであれば、一度はご覧になってみるとよいかと思います。
できればまず、古典を。三谷さんの芝居も「義経千本桜」が出てきますので、本物を知っているともっとも面白く見れます。

 

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