あなたの創作をサポートするコーナー「シナリオサプリ」。
今回は、「みんなに伝わるシナリオを書くにはどうしたら?」という症状でお悩みの患者さんです。
シナリオ・センター創設者の新井一は、“シナリオドクター”として、書き進められない人を救助すべく、『シナリオ診断 ER(救急)相談室』を実施していました。
その想いを引き継ぎ、こちらのコーナーでは、創作中に抱える“症状”に効く“サプリメント動画”をご紹介。効能や副作用もお読みになった上で服用してください。
【案:田中 編集:齋藤】
「みんなに伝わるシナリオを書くにはどうしたら?」という症状のとき
・症状
自分で書いたシナリオを他の人に読んでもらったとき、
自分が意図していないイメージで捉えられてしまうことが多い。
でも、自分の頭の中にある映像のイメージはきちんと書いているはず。
例えば、「険悪な別れ話のシーン」を描くとき――
〇喫茶店・中
客がまばらな店内。
品田と梨央が向かい合って座っている。
品田「別れてほしい……」
梨央「は?」
――のように書いた。
別れ話をしているシーンだということは、読み手みんなに伝わったが、
自分が書きたい“険悪な状況である”ということは、全員には伝わらなかった。
脚本家であるならば、
スタッフやキャストなど制作に携わるすべての人たちに伝わるシナリオを書かなければ。
みんなに伝わるシナリオを書くにはどうしたらいいだろう?
・処方箋
こんな症状でお悩みのアナタには「カショウトガキサケール」を処方いたします。
▼サプリメント動画をご覧ください。
107‗読み手に没入してもらうための脚本の書き方
今回お出しするサプリメントは「カショウトガキサケール」
・効能
「カショウトガキサケール」を服用していただくと、そのシーンがどんな状況なのか、が明確に伝わるようになります。
例えば、「険悪な別れ話のシーン」を描くとき――
〇喫茶店・中
客がまばらな店内。
床に頭をつけて土下座をする品田。
椅子に座って睨みつける梨央。
品田「別れてほしい……」
梨央「は?」
梨央、立ち上がり、手に持ったコップの水を、
品田の頭にかける。
客たちが品田と梨央をこそこそ見ている。
――のように、どんな人物がどんなふうにいるのかをト書に書くと、
セリフだけでは表現できない 登場人物の状況を映像ではっきり伝えることができます。
また、シナリオの書き方の基本である
「セリフの前には、そのセリフを言う人物の様子をト書に書く」
という習慣もしっかり身につきます。
・副作用
「このシーンの状況をみんなに確実に伝えなければ!」という想いから、ト書を細かく書かきすぎてしまう恐れがあります。あまりにも過剰に書くと、かえって状況が分かりにくくなる場合があります。
シナリオ・センター創設者の新井一は「ト書は丸太ン棒のように必要な描写だけ」(※)と言っています。「このシーンでは何を表現したいのか」を一度整理した上でト書を書くようにしましょう。
※ト書についてはこちらの記事もご覧ください。
▼ト書はセリフの付録ではない
今回処方したサプリメント「カショウトガキサケール」。
用法・用量を守って正しくお使いください。
あなたの創作、お大事に。
「自分の創作、どういう“症状”なのか。何が分からないのかが分からない……」という場合は
シナリオ・センターの基礎講座(3種類)を是非ご受講ください。
まずは基本的な書き方&作り方をおさえましょう。
開講以来『むずかしいこともわかりやすく』をモットーにしています。
初心者から経験者まで、わかりやすく為になる講座です。“最初の一歩”として、
各講座に向けた体験ワークショップもオススメです。
※シナリオ作家養成講座とシナリオ8週間講座は、オンライン受講も可能です。
詳しくは講座のページへ
・シナリオ作家養成講座(6ヶ月)
・シナリオ8週間講座(2ヶ月)
・シナリオ通信講座 基礎科(6ヶ月)