13日の金曜日
シナリオ・センター代表の小林です。13日の金曜日は、日本人の私にはなんの関係もないけれど、朝のニュース速報は「イスラエルのイラン爆撃」。魔の金曜日?という感じがしました。
なぜ人は人を攻撃するのでしょう。
今朝の朝ドラ「あんぱん」で、生き抜くためには「卑怯者になることだ」と言っていましたが、みんな卑怯者でいいから武器を捨てて、戦争から逃げて欲しいです。
選挙が困難な緊急時は議員任期を延長とか言う改憲案を言い出したり、学術会議法人化法や年金制度改革法を成立させたり、必要でもないものばかり通してしまうって、どういうことなのでしょう。
財源がないからといいながら、選挙のためには給付金をばら撒ける財源があるらしいけれど、国民の為というなら、まさか、まさかこのご時世に国会議員はボーナスなんてもらわないよね。もしも、もしも出たら返上するよね。まともなら。
消費税に手をつけられないというなら、他の予算そのものを見直して削れるところを削り、不要なところをなくすというのが普通の考え方ではないですか。
まずは議員の給与・ボーナスの削減から始めましょうよ。
微々たるものですが、「居眠りしていてももらえる、不倫しても解雇されない、使い込みしてもお縄にならない」ありがたい立場にいる議員の私たちは本当に申し訳ないと、真摯に(笑)誠意を見せてはいかがでしょうか。
備蓄米の放出だって、お上の失策のつけですから、いかにもありがたく施してあげているみたいな顔など、小泉君、しないでください!!
ま、なにを言っても、厚顔無恥の輩には通じませんが、少なくともろくでもない輩には大切な1票は入れないようにしましょう。
本打ち
日本映画テレビプロデューサー協会報というのをいつも送っていただいているのですが、今回の特集はなんと出身ライター青塚美穂さんの寄稿でした。
青塚さんは、理解のあるプロデューサーの方々に恵まれて、ここまで来たというお話しを書かれていました。
「雲霧仁左衛門」(NHK)ではしっかりとした時代劇を描かれ、先日終わった「対岸の家事」(TBS)はとても評判が高く、頑張っていらっしゃることがよくわかります。
ドラマ作りは、プロデューサーはもちろんのこと監督、スタッフ、キャストなどみんなで創り上げるものですが、脚本家が一番つらいのは本打ち。
どんな大御所の方でも、一番イヤなのは、初稿の本打ちとおっしゃっています。
私の本質的な疑問なのですが、何故シナリオの初稿ってたたき台といわれ、直しが前提なのでしょうか?
直しはしないと明言している大御所もおいでですが、それはホントの一握りの方で、初稿は検討稿とも言われるように、ずたずたにされることもあります。
でも、シナリオライターがシナリオを描く時、初稿だからっていい加減に手を抜いているわけでもなし、どうしてなのかなぁと思ってしまいます。
ほかの創作でも、直しが前提というのはあるのでしょうか?
新井一は、「創作は、否定から入ったらそこで思考は止まってしまう、否定からは何も生まれない」と言ってシナリオ・センターは「褒めて伸ばす」という教育方針を掲げています。
青塚さんは、特に初稿の本打ちに向かう時の心境を「生まれたての小鹿のようにブルブル震えています。」と書かれています。緊張のためにトイレで吐きそうになったり、お腹が痛くなったりするのだと。
そして、青塚さんも本打ちでのお願いもされています。
「本打ちの第一声は超大事です。肯定の言葉から入るか否定の言葉から入るかで、その後のモチベーションが全然変わります。(略)
ぜひ、第一声は『ここがよかった』という言葉でスタートして欲しいのです。
それさえあれば、その後に100個のダメ出しが来ても耐えられます。」と。
幸いに褒めてくださるプロデューサーとの出会いがあって、青塚さんは活躍されていらっしゃると思うのですが、「褒める」ということはとても大事なことなのです。
否定からは何も生まれないのです。プロデューサーの皆様、まず褒めましょう。
いいところ探しをしていいところを伸ばす方が、悪いところを直すよりゼッタイうまくいくし、無駄がないと思うのです。
昨日書きましたが「青春座」の井生さんは、直しをされなかったと柏田さんがいっていました。否定しないからこそ80年も劇団が続いているのかもしれませんね。
プロデューサーの皆様、よろしくお願いいたします。