暑い!
シナリオ・センター代表の小林です。昨日は涼しかったのに、今日は夏日とかで暑いです。
暑くなると事務局ではアイスクリームをやたら食べます。みんなの一番のお気に入りはシャトレーゼのチョコバッキー。安くてうまいと定評のアイスです。今日はアイス日和です。
お上の劣悪さに本当に辟易します。
お上だけでなく野党もダメだし、もはや、この国はボロボロになっています。
私が一番危惧しているのは、お上が、自分たちの都合の悪い事を、すべて破棄をしたり、隠蔽することに何のためらいもないことです。しかもこの人たちは悪いとも思っていない。
自分は何をやっても罪にならない仕組みを作ってくれた安倍さんを尊敬こそすれ、おかしいなんて思いにも至らない。だから、誰一人責任を取らない。とる必要などまったくないと思っている。
お米の値上がりで困っている下々のことも考えない農水大臣は、お米は買ったことがない?はあ?支持者からもらっているのは収賄にあたると思いますが。
この間も書きましたが、不倫にしてもそう。
役者はマスコミに叩かれまくって大河ドラマの出演を辞退したりしているのに、議員はやめないし、党首として偉そうなことを平気で言う人すらいる。しかも首相を目指しているって、なに?
マスコミが弾劾しないのはとてもおかしいし、下々だって議員だからこそ徹底的に弾劾しなくっちゃ。
不倫男たちが大きな顔して鎮座ましまして、選択制夫婦別姓をチャラにした挙句、私達の税金を湯水のごとく使う、こんなお上は本当に不愉快です。
天使の名を誰も知らない
出身作家の美輪和音さんが新刊を出しました。
「天使の名を誰も知らない」(双葉社刊)
美輪さんは、いつもはホラー小説をお書きで、ホラー苦手の私は、読みたくないけれど、いやいや(笑)、とてもとてもドキドキしながら読ませていただいていました。
それが今回は、なんとなんとホラーじゃない、サスペンス。ホッ!!
ご本人からも「いえいえ、今回はホラーじゃないし、エグくもないので、小林さんにも安心して読んでいただけると思います。」と。
でも、でも・・・映像がやっぱり恐ろしい。
プロローグから引っ張られます。美輪さんの描写力は半端じゃない。
さすが脚本家でもある美輪さんならではです。
新聞配達の少年がとある4階建てのマンションの傍で赤い靴を見つけます。
「ふいに身を切るような風が吹き、少年は肩をすくめる。
風にまいあげられた雪が白く煙り、一瞬閉ざされかけた視界の隅に、赤い点が映りこんだ。
白い紙の上にポツンと落とされたような血のような深紅—。(略)
その奥の側溝から、なにかが覗いていた。なんだろうと数歩近づき、少年は足を止める。(略)
人形—?
小さな女の子の人形が側溝に打ち捨てられていた。」
色が鮮やかに見えて、そこにはあるものを新聞少年と同じようにのぞき込む感覚で読み始めてしまいました。
「首筋に、ゾワッと戦慄が走った。
さっきまで側溝のそこにあった薄汚れた人形の小さな手が、まるで助けを求めるように、少年に向かって伸びていたからだ。」
登場人物のそれぞれの言葉で、人形と思われるくらいやせ細った穢いTシャツと下着しかつけていない女の子は誰なのか、そしてなぜ住民でもないのにマンションから落ちたのか・・・登場人物のそれぞれの想いや行動があらわにされるにつれ、少しずつ謎がはがされていきます。
うまい構成です。めちゃくちゃ惹きつけます。
登場人物は、マンションのオーナー家族と住民。それにフリーライター。
オーナー家族は、市毛野ばら先生、娘の市毛桜子さん、夫の冬彦さん、孫の茉莉花ちゃん、妹のあざみちゃん、住民の根尾さをりさんと本気君、心中(ここな)ちゃん、溝呂木忠芳さんと妻の志穂子さん、土屋リサさんと息子のリョウ君。
彼らがそれぞれの視点で語るお話から、物語が解明されるといううまい構成です。
そこに繋がるフレーズは「虐待」。
このマンションの住民たちの本当の姿は?そして、人形のような女の子は誰なのか?・・・最後までぐいぐいと引っ張っていきます。
嬉しいのは、ホラーと違って(笑)最後に救いがあることです。(歳を取ると救いが欲しくなるのです)
それにしてもホラー小説で見せてきた技術が、こうもうまくサスペンスに生かされるとは思いもよりませんでした。
美輪さん、これからはホラーをやめて(と勝手なことを)サスペンス小説をたくさん書いてください。
シナリオから生まれた描写力(映像表現)、構成力、魅力的なキャラクターがサスペンス小説にしっかりと活かされていて、頭の中に鮮明に映像が浮かぶ見事な小説です。
是非読んでください。
プロデューサーの方は、即映像化を考えてください。見事なサスペンスドラマになること請け合いです。