大鹿村後日談
シナリオ・センター代表の小林です。やっとゴールデンウィークボケが抜け初めてきた小林です。
大鹿村歌舞伎でお世話になった坂口理子さんが、「おシャシャのシャン!」東京公演のチラシを持ってきてくださいました。
ゴールデンウイークに大鹿村で公演した「おシャシャのシャン!」は400名もおいでになり、800人という大鹿村人口の半分がいらした?まあ、県外から方もいらしているから、そこまでではないにして盛況の裡に終わられたそうです。
5/28からの下北沢公演は、シナリオ・センターだけの特別割引もありますから、シナリオ・センター関係の半分が感激していただけると嬉しいです。(笑)
こういう人が国の一端を担っているのかと思うと本当に悲しくなります。
自民党の西田議員が、沖縄の平和祈念資料館のひめゆりの塔の記述に対して「歴史を書き換えている」と発言し、大きな問題になっています。
この方は、真実を見ようとすることなく、沖縄の方々を傷つけることにも考えは及ばないまま、平気でものをいえる神経の持ち主なのでしょう。南京大虐殺を認めない感覚と同じだと思います。
過去の真実がどんなにイヤなことでも恥ずかしいことでも苦しいことでも認めないと先には進めません。
こうやって真実を覆い隠したい人がいる限り、歴史は繰り返す・・・ろくでもない戦争に国民を追いやるのではないかと心配になります。
もちろん人は、誰もが見方も考えも違います。それでいいのですが、真実を見極めようとする、受け止めようとすることは大事なことだと思います。
風読みの彼女
こんな風を吹かせて、真実を見せてやりたいなぁと思っちゃいます。
昨日も今日も刃物を振り回す人がいるようなギスギスした日本になってしまった昨今、心の中を一陣の爽やかな風が吹き抜ける想いにしてくれる素敵なファンタジーができました。
「風読みの彼女」(集英社)、ベストセラー作家宇山佳佑さんの新作です。
風には、すべての思い出が記憶されており、その風の記憶を読むことができる人がいます。
「ガラス雑貨専門店・風読堂」店主、級長戸辺風架(しなとべ ふうか)さん。
野々村帆高は、引きこもりでしたが、ある日風が持ってきたチラシ「風読堂 アシスタントさん大募集」をみて、彼は風読堂へで働くことに。アシスタントとなった穂高は、風架のもとに訪れる悩みと願いを抱えた依頼主と出会うのでした。
両親の不仲を心配する女子高生、息子の臓器移植した相手を探す母親、急に売れ出した画家と息子との確執、骨肉腫で足を切断しなくてはならない高校生の幼馴染への想い、そして主人公穂高が抱える秘密・・・それぞれが折り重なって、人間の心のやさしさが描かれていきます。
宇山さんの作品は、決してハッピーエンドばかりではないのだけれど、読み終わると爽やかな気分にさせてくれます。
だから累計100万部突破となるのでしょうね。
宇山さんは「君が心をくれたから」などのテレビドラマや映画「今夜、ロマンス劇場で」「信長協奏曲」などシナリオを描かれていらっしゃったからだと思うのですが、読んでいるときれいに映像が浮かぶのです。
この「風読みの彼女」は、特に風が魅せる映像が重要なポイントなのですが、本当に風が映像を見せてくれているような気がするのです。
この筆力と構成のうまさがベストセラーを生み出す秘訣なのですね。
楽しんで読んでください。悲しい人も苦しい人も何気にホッとさせられることでしょう。大きく深呼吸をした気分になります。