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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

時代小説でも犬は奔る。

シナリオ・センター代表の小林です。今日は冷たいし、雨とか・・・。油断できません、この季節は。三寒四温を繰り返し、春になっていくのですね。
最初に飼った犬の名前は、しおん。どこからとったかというと三寒四温からなのです。ドッグフードの研究所から譲ってもらった時が、3月。暖かな日だったので四温(しおん)。この季節になると思いだします。この子を経て、今は三代目はる(春)ですが。() もう少し頑張れば、春が来ます。
犬同心、奔る!

犬と警官のコンビではありません。犬と同心のコンビです。時は江戸時代、六代将軍家宣の時代です。時代小説です。招き猫文庫なのに犬のお話です。(笑)
出身ライター鷹井伶さん「犬同心、奔る!~お蘭と研吾」(白泉社招き猫文庫刊)
五代将軍綱吉の時代、生類憐みの令で犬屋敷が創られ、最大10万匹まで収容されたといわれています。
犬同心犬養研吾は、その頃犬屋敷の同心でしたが、家宣によって廃止され、犬屋敷も取り潰され、町廻りの同心になりました。
お話はそこから始まります。
ほとんどの犬が処分された中、なぜか紀州犬のお蘭が研吾の手元に引き取られ、一緒に町廻りをしています。
お蘭の敏捷な動きとよくきく鼻、鋭い牙は、研吾を助けながら、また心を許しあう友としても大事なコンビとなりました。
研吾は、数々の事件を解決し、火事場から子供を助けたりしながら、自分の父親の殺された真相を明かそうと真っ白な紀州犬お蘭とともに奔走します。
犬と一緒の同心という今までにない設定にど肝を抜かれますが、犬好きでなくてもお話の面白さにどんどん読み進んでしまいます。
犬好きの方は二重にうれしい小説です。()
しかも、まだ謎解きの半分は残っています。次作が楽しみです。
 

時代小説というと、時代考証とか史実に基づいてとか色々大変なように思われますが、それも大事ですが、その史実に描かれていないところとか、史実の側面を使うことでドラマが生まれます。
今回の犬同心も、綱吉の時代に10万匹も収容する犬屋敷があり、家宣によって取り潰されたという事実はありますが、そこに犬連れの同心が本当にいたかどうか・・・史実の隙間にこそドラマが生まれるのです。 

鷹井伶さんの「犬同心、奔る!」は、ソフトバックのお父さんのような真っ白な紀州犬がサブ主人公。
イケメン同心とまっ白なきりっとした日本犬のコンビは、ドラマにしたら、絵としてもすごくいいじゃありませんか。
どこかで、ドラマ化して欲しいです。4人に一人が、犬を飼っている現在、ゼッタイにあたると思うのですが。
土橋章宏さんのように、鷹井さんはご自分で脚本も書かれます。
 

この本の出版社白泉社さんは、「ガラスの仮面」などで有名なコミックを主体して出版されていますが、時代小説招き猫文庫にも力を入れています。
「招き猫文庫時代小説新人賞」を募集しています。731日締め切りです。 

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