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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

タペストリーからドラマが生まれる。

シナリオ・センター代表の小林です。ここ数日、初夏らしい気候で、ちょっと嬉しい。初夏の緑は、ことのほか美しく輝いています。 
そんな初夏の風に誘われて、テニス仲間のOさんの作品を拝見しに、国立新美術館の太平洋展へ出かけました。
Oさんの版画は、深い迷いの中で佇んでいる心のようで、内面を見透かされている気がして、作品の前でドキドキしちゃいました。

ガンダムとタペストりー

国立新美術館では、「貴婦人と一角獣」展をやっており、先日NHKの日曜美術館で、小説家の原田マハさんが、フランスまでこの「貴婦人と一角獣」を観にいき、このタペストリーをテーマに小説を書かれるというお話をしていらしたので、興味がありました。
「起動戦士ガンダムUC(ユニコーン)」のエピソード1ユニコーンの中で、このタペストリーが物語の重要な意味を持つとかで、話題になっています。
私は、ガンダムを拝見していないのでよくわかりませんが、確かにこのタペストリーには、覗いてみたい、暴いてみたい、大きな深い秘密があるようなかんじです。
そのせいか、地味な気がする展覧会でありながら、若い方もたくさんいらしていて、賑わっていました。

貴婦人と一角獣

この「貴婦人と一角獣」のタペストリーは、15世紀のもので、ジョルジュ・サンドが古い壁にかけてあったものを発見し、これを元に小説を書いたことから、世間に知られるようになり、パリの美術館で19世紀から展示されるようになったとか。

三日月の紋章からリヨンのル・ヴィスト家が作らせたものではないかといわれているようです。
6枚の連作タペストリーで、五感を表しており、一角獣の角に貴婦人が触っている触覚、オウムにお菓子を与えている味覚、花を編んでいる臭覚、パイプオルガンを聴いている一角獣の聴覚、鏡に映る自らを見ている一角獣の視覚です。
6枚目は、最後の青い天幕の前で、貴婦人が宝石を箱に入れようとしているのかとろうとしているのか不明な、何がテーマなのかわからない、一番謎が多いといわれる「我が唯一の望み」という作品だそうです。
私は、タペストリーというと、大きいものを想像していなかったのですが、小さいもので312×330㎝。大きいものは377×473㎝。
デカ!!びっくり。我が家にはゼッタイかけられない。しかも6枚なんて。(笑)
展覧会場だって、上のほうみえなかったし・・・。15世紀のお城だからかけられる・・・当たり前か。(汗)壁にかけるのは、寒さよけの為にとかいわれると、広い広いお城の冷たさまで感じられますね。
会場もほの暗かったのですが、きっとお城の中もこんな雰囲気で、織られた中に様々な秘密や謀略が潜んでいるミステリアスな感じがしました。
緻密な構図と繊細で大胆な織り、ゴブラン織とかつづれ織とか、なんでこんな絵画のように織れるのか、不器用な私には、想像すらできませんが、絵の構図といい、出自といい、謎の多い織物なんです。
だからこそ、小説やアニメなどの創作意欲をそそられるのでしょうね。
原田マハさんの小説が楽しみです。
7月15日までやっています。130年間一度しかフランス国外をでたことのない門外不出のタペストリーだそうです。
これを逃すとフランスまで行かなくてはなりません。

フランスで見たい気もするけれど、ま、おいそれとはいけませんから、創作意欲をそそられるってどんなものか、ちょっとアンテナが動いたら、観にいってみてください。お勧めです。
映像などを見ると、2時間は最低かかると思っておでかけください。

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