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2017.2.15

遺すもの

シナリオ・センター代表の小林です。森治美さんの訃報に接し、たくさんの方からメールをいただきました。ありがとうございます。
大切な人を失ったと痛切に感じています。
ですが、遅かれ早かれ人は皆同じ道をたどります。 限りある命だからこそ、毎日を、人との付き合いを大切にしていくことが、生きている者の使命ではないかと思います。

森治美はいなくなってしまいましたが、森治美の作品は生きております。いつか、森治美の芝居に出会うことがあるかもしれません。
テアトロ2月号に森治美の遺作「記憶のパズル」の戯曲が掲載されています。
舞台ではだいぶ変わってしまった部分もあるので、森治美が最後の力を振り絞って書いた戯曲をお読みいただけると幸いです。 


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坂田講師が脚本を担当した映画「母 小林多喜二の母の物語」が東京では2月25日から、K‘ s cinemaで上映されます。
全国各地で上映していきますので、是非とも観てください。

プロレタリア作家小林多喜二はご存知のように「蟹工船」を書き、官憲に拷問の末殺されてしまいました。
多喜二のお母さんセキは、小さなパン屋を営みながら6人の子供を育て、自分自身貧困で苦しんでいるにもかかわらず同じ境遇の人を助ける優しい母でした。そんな母親が、戦争に突き進む国家と戦う息子を信じ、殺され、非国民のレッテルを張られながら、どう生きたかを描いています。

このメガホンをとった山田火砂子監督は、「はだしのゲン」などの反戦映画を手掛けた故山田典吾監督の奥様で、昨今の社会に危惧を抱いて作りました。
原作は三浦綾子さんですが、「言論の自由がない社会が人の命を奪う」ことを伝えています。

昨今の社会は、再び言論の自由が締め付けられつつあるように思います。
私たち一人一人がきちんと考え、声を上げないと、知らず知らずのうちに戦争に突き進んでいく、表現の自由、言論の自由を奪われていく・・・多喜二の時代の話しではなく、今日ありうる、むかいつつあることなのです。

どんなふうに時代が、小林多喜二を葬り、母を泣かせたのか、「母 小林多喜二の母の物語」は語ります。今だからこそ、観たい映画です。


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