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しゃれおつなお店や人々が行きかう街、表参道。そこで働くシナリオ・センタースタッフの見たもの触れたものをご紹介します。

『 ホテルローヤル 』を脚色して/脚本家 清水友佳子さん

「脚色ってどうやるんだろう?」と疑問をおもちのかたは、今回ご紹介する清水友佳子さんのコメントを参考にしてください。

清水さんはこれまで、映画『手紙』、テレビドラマ『夜行観覧車』『リバース』『あいの結婚相談所』『わたし、定時で帰ります。』『ポイズンドーター・ホーリーマザー』「NHK連続テレビ小説『エール』」等々、数多くの話題作を執筆されています。

そしてこのほど、第149回直木賞受賞作『ホテルローヤル』(桜木紫乃さん/集英社文庫)の映画化にあたり、脚色をご担当。

11/13からの全国公開を記念して、『月刊シナリオ教室 11月号』(10月末発行)には清水さんのインタビューを掲載。こちらでは『エール』のお話やシナリオ・センター時代のこともお話しいただいていますのでお楽しみに。

ブログでは『ホテルローヤル』と脚色に関するお話を中心にご紹介いたします。

『ホテルローヤル』について

――『ホテルローヤル』の原作を読まれて、どんな印象を受けましたか?

〇清水さん:静かに深く、心を刺してくる大人の物語だと思いました。地の文章やオムニバスの繋がり方など、小説ならではの魅力に溢れる作品だったので、映像化するのは大変そうだな、と思いました。

――どうやって脚本へと組み立てていかれたのですか?

〇清水さん:まず原作のキャラクターを自分の中にたたき込み、「作品のテーマを描くためにこれは絶対外せない」というエピソードを抽出して、それらを守りながら足したり膨らませたりして、映像に適したスタイルに組み立てていった感じです。

――原作から変えたり、工夫された部分はありますか?

〇清水さん:「このホテル自体が主役の1人で、舞台はずっとホテルにしたい」というのが武正晴監督の意向でした。そのため、客のエピソードをホテルの一室内のみで展開させることになり、かなりの工夫が必要でした。

原作はエピソードごとに、それぞれの生活の場での描写も入るのですが、それが描けない。小説ではホテルに入ろうとするところで終わっているエピソードも、ホテル内で起きる出来事として再構築しなければならず、難しかったです。

――出来上がった映像をご覧になっていかがでしたか?

〇清水さん:武監督の手腕と役者さん達の底力にただただ感服いたしました。「とにかく役者さん達の演技を見てほしい!」と。みなさん本当に素晴らしかったです。

脚色するときに気をつけていること

――小説は心情や状況を文章で説明しますが、それを映像化する時に気をつけていることはありますか?

〇清水さん:説明セリフを書かない。また、都合の良い段取りでドラマが進まないようにしています。

そのためには「状況」ばかりを見るのではなく、「人の動き」を軸にして考える。たとえば小説で「深い悲しみの中にいた」とあった場合、このキャラクターが実際そうなった時、具体的にどんな行動をとるか、誰に向かってどんな言葉を口にするか。その言動を考えて、シナリオに落とし込むようにしていますね。

――でも、登場人物たちの人生すべては描けない。どこを描き、どこを省くかはどうやって考えていますか?

〇清水さん:そこはキーになるセリフを決めて、そこから逆算していく感じですね。このセリフに辿り着くまでに必要な要素は何か、削っても大丈夫そうなところはどこか、と考えます。

でも最初から決めているわけじゃなく、作業しながら探っていく部分もあります。

『ホテルローヤル』も最初の頃の稿はかなりたくさん盛り込んでいるのですが、稿を重ねるごとにそぎ落とされていきました。シナリオにした上で俯瞰して、はじめて「ここは必要、ここは省ける」というのが見えてくるケースもあります。

脚本家になりたい“後輩”に向けて

――今のうちに勉強しておいた方がいいことはありますか?

〇清水さん:技術を磨くのも大切ですが、今しかできない経験……たとえば大学生なら、学生時代にしかできない経験をたくさんすること。あと、なるべく多くの人と話をしていろんな生き方や考え方に触れることですね。さまざまな価値観を知ることはとても勉強になりますし、人や人生を描くシナリオライターの仕事に、その経験は必ず役に立ちます。

――最後にメッセージをお願いします

〇清水さん:もともと私はドラマオタクで、今までの人生で映画やドラマからたくさんのものをもらった。だから、今度は作る側に回り、自分が誰かの役に立てたら、という思いからシナリオライターを目指しました。「好き」は一番の武器になります。頑張りましょう!!

※シナリオ・センター出身の脚本家・小説家・映画監督の方々のコメントを掲載『脚本家・小説家コメント記事一覧/脚本や小説を書くとは』はこちらからご覧ください。

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